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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

総合科学技術会議(第47回)

前回のエントリーでは自分の意見をざっと書いたが、書きっぱなしっていうのもなんので、政府関連の科学技術会議の議事録をざっと眺めてみた。読んだ資料は総合科学技術会議(第47回)議事次第の科学技術基本政策策定の基本方針である。この中で人材育成に関わるところを見ていく。

この資料では、「人材育成と競争的環境の重要性 〓モノから人へ、機関における個人の重視」という目標を明確にかがけており、特に若年層の科学離れと学力低下、圧倒的に少ない女性研究者の数、公正な競争の必要性を述べている。

また科学技術改革のためには、以下の目標を設定することを述べている。
・ 優れた努力には必ず報いるよう、研究者・研究機関への適切な動機付けを設定すること
・ 競争的研究環境を可能な限り醸成すること
・ 研究開発の不必要な重複を排除しつつ、主体間の連携を十分に促進すること

その上で、具体的に以下のことを兼用している。

【人材対策具体化の主要検討項目】
〓 次代を担う人材の裾野の拡大(初等中等教育の充実及び教員の資質向上等)
〓 国際的に活躍する研究者・技術者の育成・確保・活躍促進(大学改革の推進、大学・大学院での教育の充実強化、広い視野を持つ人材や新興・融合分野における人材の育成等)
〓 若手研究者が能力発揮できる環境整備(テニュアトラック制度、若手研究者向け競争的資金の拡充等)
〓 女性研究者の育成・活躍促進、活躍できる環境の整備
〓 外国人研究者の受入れの促進や高年齢研究者の能力を活かすための機会拡大
〓 産業界のニーズにあった研究開発と事業化をリードする人材の育成・活躍促進
〓 科学技術活動を支える専門的人材(技術経営人材、ものづくり人材など)の育成・確保・活躍促進
〓 インタープリタやコミュニケータ等科学技術の理解増進のための人材育成・確保・活躍促進
〓 多様なキャリアパスと産学官の壁を越えた流動化の促進

ここまで読んだ限りでは、議論としては間違えてないと思う。政府が博士課程進学者を制限することは難しく、政府としては現在いる人材に対して正当な評価をすることと、産学官に対してのキャリアパスを用意するという観点にならざるをえない。さらにこの議論にたいする資料も用意されているが、補助資料なので、どうでもいい。

最後にこの案を受けた議事録である。小泉総理大臣のおもしろ発言が随所にみられるが、基本的に案どおりに進むため、上記の9つが観点という点でまちがいない。

これを見て、少し驚くのが、国の評価軸の中にドクター取得者数というのが組み込まれているということだ。まだまだ、ドクター取得後の就職に関する問題意識が希薄なのだろう。現在の中国や韓国とドクター取得者数を比較することになんの意味があるのだろう。

政府案としては、ドクター取得後の支援としては、若手研究者にチャンスを与えること、人材の評価を明確にし競争原理を導入すること、キャリアパスを流動化することということになる。

このなかで優秀な人は最初の2つでチャンスが与えられないということは少なくなると思うが、その他の人にとってはキャリアパスの流動化という方法でなんとかなるかというと、受け入れるのが官の方ならば政府主導でどうにかなるだろうが、受け入れる側の企業の場合は、その企業次第になってしまうため解決にならず、結局、企業が積極的にドクターを高条件で雇う姿勢に変わる必要があるという話になってしまう。結局、この問題は博士を労働力として考えている以上、当事者以外はだれも被害をこうむっておらず、政府、企業にとっても自分の問題でないことが、一番解決が進まない理由なのだろうと思った。

[追記]もちろん、この会議自体がなんらかのポーズであり、実質なにも影響力がない可能性があるが、そんなことを言い出してしまうと、本当にこの国の科学政策はどこできめているのかわからなくなってしまう。特に、日本にとって、科学技術レベルを高く維持するというのは国益上必要なことなのだから、もっと政治家の論点になってもいいと思うのだが、科学者や興味ある人の票数が絶対的に少ないため、どうしてもおざなりになるんだろうなぁ。