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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ジェイコムの株取引問題に関するエンジニア的視点

コメント

会社の責任とか、ここぞという場面で他人のミスに乗じて株を買いあさった野村やGSに関しては、まぁ、特に意見はありませんが、各所での株取引システムに関するエンジニアリング的問題に関しての考察は非常に興味深いです。こんな時はたいてい、スラッシュドットと2chを見るのですが、2chではなんか株取引の方の話が主流で、今後どうやって解決し、責任をとるかっていう議論が方が盛んなので、スラッシュドットだけ紹介。

  • 「ジェイコムショック」、東証のシステムが原因?

http://slashdot.jp/articles/05/12/11/1448250.shtml

コメントの中で一番、この問題のわかりやすい説明はこれでしょう。

要するに、上場当日の例外処理に問題があったようです。
通常、取引前に値幅制限が存在するため、その範囲を超えての発注は出来ませんが、新規上場株だけは例外で、当日の初値を基準に値幅制限を設けます。
そのため、初値が決まった次点で、値幅制限の範囲外の注文をすべて値幅制限内の注文に見なすような処理をしていたのですが、そういう処理がされた注文を取り消しできない不具合があったと言うことです。
処理自体が、上場日にしか発生しないため例外であったため、今まで発覚しなかったのではないでしょうか。

まぁ、たぶん、この問題におけるエンジニア的議論は次の2点だと思います。

  • このような問題が発生した場合、どのステージではじくべきなのか?
  • どのような開発スタイルを導入すれば、このような問題を予期し、仕様の中に組み込めるのか?

まず、これは東証側のシステムに大きな問題があったと考えられており、東証もその落ち度を認めています。間違った注文が決定しても、それを取り消しできれば問題はここまで大きくならなかったからです。しかし、みずほ側の問題も無視できないでしょう。ストップ安、ストップ高を大幅に超える値段の注文はシステム側で受け付けないようにしておくくらいの例外処理は組み込んでおかないと、お粗末なシステムと言われてもしょうがありません。

たぶん、システム開発におけるこの問題の本質は、例外処理における警告のレベルを必要十分な段階で設定していないからでしょう。通常、例外処理には3つの枠組みを設定します。警告、エラー、該当なしの3つです。エラー、該当なしは例外としてキャッチした場合、速やかにメッセージレベルまで引き上げ、ユーザに報告しなければなりません。この辺は結構、開発におけるセオリーが各言語毎にあり、しっかり枠組みが決まっていると思うのですが、問題は警告のレベルをどのように設定し、どのように処理するかです。なぜなら、警告のレベルは開発者が設定しなければならないからです。
ここで、最悪の場合、処理を中断するレベルの警告を設定しなければならないのですが、そこの枠組みが設定されてなかったのでしょう。警告のみで、取引に進めたわけですから。
例外処理は、金融などのシステム開発においては、クリティカルな問題なので、もっと高度なレベルで開発をおこなっているはずなのですが、、、一瞬のスピードが利益率を決めるということと、最悪、東証側のシステムがはじくという甘えが今回の問題を生んだということなのでしょうか。

で、開発スタイルなのですが、東証のシステムは富士通の開発で、その富士通でも東証のシステムを完全に理解している人はいないなんていう報道がありました。どんなシステム開発でも、システムの全体像を理解している人がいないなんてことはあり得ないと思うのですが、まぁ、たぶん俺の想像を遙かに超えた規模のシステムなのだと思います。おそらく、隣の部署と入念に仕様を決め、そのデータがくることを前提に、すべてのシステムが組まれ、段階的に結合してるのでしょう。こういうシステム開発において、もっとも大変なのは、たぶんライブパッチを当てるシステムと性能とトレードオフになる例外処理をどの程度行うかということかと思います。この辺のレポートがあったら読みたいのですが、まだ、詳細なレポートはネットにないようなので、もう少し報告を待ちたいと思います。

ただ、新山の日記のこのコメントはおもしろかったです。
http://tabesugi.net/memo/cur/cur.html#11

それにしても、凍傷のアレはすごいね。ミヤノ日記で「こんなのでボロ儲けする奴は某建築士よりも極悪」とあったが、たぶん真の悪人というのはつねに合法的なのだ。法律は悪人を認識するための機械のようなものと考えることができる。しかし法律は「ザコな悪人」を規則によって自動的に認識し牢屋にぶちこむことはできるが、真の悪人を認識することはできない。なぜなら彼らはつねに規則によって規定されていない部分を新しく見つけだすから (それが悪人という職業だ、ともいえる)。しかしそうするとそもそも「アク」とはなんなのか、という疑問が生まれる。「アク」が規則で規定できないことはたしかなので (「ゼン」と同様に)、こういうのをなるべく防ぐには、自動的な (規則による) チェックになるべく頼らない、人手による介入をより増やすしかない。たぶん。でもまちがいなく世の中の流れはこの逆の方向にむかっている。乗り物だけじゃなく、法律も教育も「自動化」っぽくしようという雰囲気がある。効率を上げるのがよしとされているんだからしょうがない。で、効率って何よ?

GSがしっかり30%以上の株を買っていたのが報道されていたのをみて、その肉食獣っぷりにおれも笑ってしまいました。この辺に関しては以下の記事が詳しいです。

  • 東保裕之 株式投資の「常識・非常識」シリーズ

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/toubo_school/V_VIL_toubo_20011205.html