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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

アマゾン研究 サイト編

アマゾン

アマゾンを語る上で、最初に気になるのがAmazon.co.jpの日本における売り上げである。Amazon.co.jpは売り上げを公表していないので、詳細は不明だが、「潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場」で述べられている数字は書籍、DVD、家電など全て合わせて2003年度ベースで500億円程度。また、以下の記事を読むに2005年度はAmazon.co.jpの売り上げはAmazon.comの売り上げの10%を締めると書いているので、Amazon.comの2005年度の売り上げが8490万ドルであることから、その10%で850万ドル、およそ1000億円程度であることがわかる。これは国内最大の書籍販売店である紀伊国屋の年間売上額に等しい。また、Amazon.comの売り上げの伸びと同程度と考えると、Amazon.co.jpの2006年度の売り上げは1260億円程度だと考えられる。

  • アマゾン ジャパン、書籍の全文検索ができる“なか見!検索”のサービスを開始──巨大物流センターも千葉で本格稼動へ

http://ascii24.com/news/i/topi/article/2005/11/01/658865-000.html

チャン氏によると、日本法人の売り上げはAmazonグループ全体での10%以上を占め、黒字化したタイミングでも最も早い部類に入る。

では、以下がそのサイトに関するまとめである。

アマゾンは訪問者をかき集め、すべての情報を自サイト内で完結させ外に出さない。

アマゾンのサイト戦略はこれである。ユーザービリティテストと過去の売り上げ実績により構築された現在のサイトデザインは、一度訪問した客を決してAmazonのドメイン外に出さないように設計されている。少し、サイトを見ると分かるが、Amazon内に他のドメインに飛ぶためのリンクはほとんど存在しない。社名、著者名、キーワード、画像、データベース、なか見!検索どれをクリックしても全てAmazon内へのリンクである。この設計方針をかたくなに守っているサイトは少ない。たとえば、大手の書籍販売サイトbk1はトラックバックを受け付けるため、ページは他のドメインへのリンクだらけである。楽天に至っては、サイトのデザインに統一感が存在しないし、他の販売サイトも代替商品説明はメーカー公式ページへのリンクをはる。ところが、アマゾンは商品詳細からその説明まで全て自社サイトに抱え込んでいる。訪問者を決して外に出さない。

マーケティング戦略としては、訪問者を何とかしてAmazonドメイン内に連れ込めばよい。いったんAmazonドメイン内に連れ込めば後はサイトが何とかする。

ここでアフィリエイトという希有のシステムが生きてくる。アマゾンのアフィリエイトは売り上げに応じて、一定のキャッシュバックをアフィリエイトしてくれた人に還元する仕組みだが、多くの品物を買わせた人ほどキャッシュバック率を上げるというシステムを採用している。しかし、よくよく考えてみるとなかなかこういうシステムは他に存在しない。普通は、だいたい金額や品物に応じて、一定額を還元する仕組みであり、買わせれば買わせるほどその還元率を上げるというのは、単発ではなく品物を数多く買わせることがアマゾンのねらいになっていることがわかる。販売数は訪問者数に直結するため、自然とアフィリエイトを貼る人たちは訪問者数を最大化するようにアフィリエイトの最適化をはじめる。

マーケティング費よりもサイト内での快適性を重視する。

Amazonはほとんど広告をメディアに打たない。開発初期からそのようなところにお金を出すよりもサイトのレスポンス、安定性、物流最適化に重点を置いてきた。結局それが、顧客満足度と最終的な売り上げに繋がることを過去の分析から証明している。

最強のABテスト手法。

もしかして、知らなかったのは俺だけかもしれないが、このアマゾンが行っているABテスト手法というのを聞いてびっくりした。アマゾンは頻繁にオリジナルAと少し違うBというサイトを作り、訪問者を50%の確率でどちらかにとばしているらしい。で、このデザインの違いが売り上げにどのような影響を与えたかというのを分析しながら、サイトデザインを決めているらしいのだ。考えてみたら当たり前の手法だけど、何とかいうか目から鱗でした。そして、アマゾンが大規模なサイトのデザインの変更を行わず、斬新的な変化を繰り返してきたことも納得しました。

そんで、次の回でなんとなく物流に関してをまとめてみます。