最近、黒川紀章のメディアへの露出が増えてきた気がする。昔は、なんとなく建築の巨匠っていうイメージしか持ってなかったのだが、メディアへの露出を見て、この人はおもしろい人だなと思うようになった。日本における自分の言説をもった数少ないインテリゲンチャと言ってもいい気がする。メディアがよく使う怪人という言葉の方がなじみはいいが。
- http://ascii24.com/news/i/keyp/article/2003/07/12/644869-000.html 黒川紀章がThinkPadを語る!――「早く人間に追いついてみろ!」
上のURLの2003年に行われたインタビューでも名言が満載。
[黒川 紀章氏(黒川)] いつごろから黒にしました?
[山崎 和彦氏(山崎)] 10年ほど前からです。
[黒川] 遅いよね(笑)。だって、僕は1960年代に黒を流行らせたからね。僕は黒しか着ないし、その頃最初に買ったポルシェも真っ黒だった。みんなからは「ハイヤーみたい」って言われましたが。だから遅い(笑)。もっと早く出せと。僕の事務所は以前はグレーの端末が並んでいたのだけれど、今は全部黒。100台の「IntelliStation(IBMのワークステーション)」が並んでいます。あの端末がずらっと並んでると相当かっこいい。
なんか、フィリップ・スタルクみたいなこと(この前ブルータスで「アノニマスデザインという概念は自分が作った」)を言っているけどなかなかいえることではないし。
[――] PCのデザインと建築のデザインには、何か共通点はあるのでしょうか?
[黒川] ないね。
[――] まったくないのですか?
[黒川] PCの中に住めないもん(笑)。
[山崎] 外観の問題ではなく、もっと根源的な部分でまったく別だということですか?
[黒川] そう。建築っていうのは風を感じたり、光を感じたり。つまり、人間が作ったものであろうと本来の自然であろうと、それらを「感ずる」ものでしょう。PCは「感ずる」っていうものじゃない。
この辺りの言説も当たり前のようでなかなか言えるものではない。やっぱおもしろい人だなー。