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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

日本の労働生産性は本当にあのイタリアに負けているのか

ネットで話題になった週刊ダイヤモンドの勝間和代の特集号を読んでみた。

週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号 [雑誌]

内容自体は世の中に山のように書かれているお腹いっぱいの感のあるライフハック本(今時Googleを使おうとか言われても、、、)だったのだが、そもそもなぜこんなライフハックが必要かという理由に以下のグラフをベースに日本の労働生産性が低いという議論を展開していて、日本人は労働生産性が低いからもっと労働生産性を上げる必要があると声高に叫んでいた。

そもそもこの労働生産性の比較がドルベースなので、ドルと供に価値が下落した円でユーロ圏と労働生産性を比べるのは難しいのだが、それにしても日本がイタリアと比較して労働生産性がここまで低いというのは納得がいかない。イタリア旅行に行ってきた人の話やイタリア人の生活を語るエッセイなど読んだ限りイタリア人の労働生産性が日本人より高いとはとても信じられない。だって、昼飯2時間とかかけて食べるんですよ、イタリア人。こういう直感的に納得できない統計には何らかのミスがあると思って、調べてみたらどうやら統計マジックの大御所門倉貴史がすでに以下の本で解明済みらしいので、買って読んでみた。

ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)

ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)

この労働生産性の話自体はこの本の「第一章 本当に日本の生産性は低いのか」で取り上げられている。まず上の労働生産性はGDPを就業者の全体数で割って一人あたりが生産する額に換算したかなり乱暴な数字である。就業者数の数はホワイトカラー、ブルーカラーは分けてないが、きちんと届け出があった労働者のみを就業者と数えているのがポイントである。
で、なぜ日本がイタリアに負けるということが起きるのかというと門倉氏曰く、日本とイタリアの地下経済の大きさに答えがあるらしい。門倉氏の資産によると日本の地下経済は日本のGDPのおよそ3%程度。つまり、日本は実際に働いている人のうち97%が正式な就業者として統計上カウントされている。イタリアの地下経済はおよそ30%。なので、イタリアは実際に働いている人のうち70%が正式な就業者として統計上カウントされていることになる。よって、

  • 日本: GDP / ( (労働者数) * 0.97 ) = 労働生産性
  • イタリア: GDP / ( (労働者数) * 0.7 ) = 労働生産性

となるため、地下経済を考慮するとイタリアは日本より4割ほど労働生産性が過大に評価されている可能性がある。もちろん、地下経済がそこまで大きくないアメリカとかと比較したら日本の労働生産性は低いのだと思うが、まぁ、イタリアに負けているというのはあまりにも現実味が無かったので、これだけでちょっと合点が行った次第です。

あと、ちょっと補足。上の本、2冊ともたいしておもしろくないので買わない方が良いです。おもしろい本の時はちゃんとおすすめします。間違えて買っちゃうと悪いので。