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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ホリエモンが目を付けたSONYのコンテンツ力

なかなか見どころの多いホリエモンのインタビューが公開されていました。

これ、インタビュアーが優秀ですね。ホリエモンとかあとイチローみたいなタイプもそうなんですが、自分に対する自信が強い人は煽った方がいいことしゃべるんですよね。最も気になったところは以下のSONY買収の部分です。

そこで次にチャレンジしようと考えていたのが,ソニーのブランドと技術力を活用して,いかにネット時代の流れに則した企業に変革させるかだったわけです。

ソニーが魅力的だったのは,音楽と映像のコンテンツを保有していること。それにオーディオ機器やモバイル,有機ELなどの技術。金融商品もあり,FeliCaの技術もある。逆にいらないと思っていたのは,大型テレビなどの家電製品で,中国の家電メーカーに売却するつもりでした。ゲーム機事業もいい時はいいが悪い時のリスクが大きいので,マイクロソフトに売却してしまえばいいと考えていました。

そうして経営資源の選択と集中をして,iPhoneのような事業を展開できれば,コンテンツ力はAppleより強いわけですし,それがソニーの原動力になると信じていました。

外からみたらSONYてこういう風に映っているんでしょうね。僕はもしホリエモンがSONYを買収できたらある程度この方法で成功したのではないかと思います。個人的にはBDが覇権と取ることに成功した要因もSONYがソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントという会社を抱え込んでいたからだと考えています。ストリンガー氏がSONYのCEOに成った最大の要因はSONYの慢性的な赤字だった米国のソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントというコンテンツ会社をきちんと黒字を出せる優秀な企業に立て直したところにあります。このコンテンツに対する理解力がストリンガー氏が外国人でありながらSONY CEOに抜擢された最大の理由かなと思っています。後、ナイトの称号を持っていたり、ものすごいカリスマ性を持った人格者だったり日本人が尊敬しそうな要素をいっぱい持っていますし。

ホリエモンもコンテンツ力に目を付けていますが、はっきり言って日本企業でこれほど世界に通用するコンテンツ力を備えている企業というのは存在しないわけです。ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントとソニー・ミュージックエンタテインメントを完全子会社として保持しているというのは異常です。他の日本企業でこれが出来そうなところってちょっと想像つきません。この奇跡は、以下の3つの要因が重なってソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントを買収、黒字化することが可能だったことでした。

  • SONYというブランドがアメリカでもクールの象徴だった時代なので、SONYがアメリカのコンテンツを保持することにそこまで反発が無かった。
  • 買収を行った1989年という年はバブル経済により日本にお金が大量に存在するタイミングで他の企業がアメリカの不動産を買う中、SONYはコンテンツ会社を買えた。さらに言えば、1989年はまだ映画産業において最も利益を出す現在の資本一斉投下型の手法が確立されていなかったので、映画会社の株価が低く評価されていた。
  • 出井さんという企業経営に関して日本有数の手腕を持ったCEOが1995年から2005年の間にSONY本社とソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの企業経営に関する部分をきっちり整備し、アメリカのメディア業界で尊敬を受けているストリンガー氏を引き抜いたことで慢性的な赤字だったソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントを超優良企業に変えた。

おそらくSONY以外の企業がソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントを買っていたとしても、ハリウッドからの反発を受けて撤退するか、もしくは出井さんという企業経営を理解したCEO、ストリンガー氏という複雑なアメリカのメディア業界の中で尊敬を受けている希有な存在によって黒字化を達成することが出来ず、既存株主の圧力によって東芝EMIのように売却することになってしまったのではないかと思います。

ホリエモンが目を付けているSONYのコンテンツ力というのは、もともとSONYに備っていたものではなく、上記の奇跡的な要素がうまく絡まって保持できたものなのです。このコンテンツ力のおかげでSONYはインドでインド最大のテレビ局を運営していたりもします。この日本企業にとってはほとんど虎の子のコンテンツ力に目を付けた上で、現在赤字のため黒字化達成に必死になっているテレビ事業部を切り離そうと考える辺りがなかなか面白いなと考えた次第です。

いろいろ反発する人も多そうですが、ホリエモンの視点ははっきり言って悪くないと思います。もちろん現SONY社員からの反発は必至ですし、それで成功するかどうかといえば全く別の問題ですが。