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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

SPA!が狙う売れるコンテンツを作る以外にあまり雑誌業界が生き残る道が思い浮かばない

CONTENT'S FUTUREで非常に刺激的な議論をまとめ上げた津田さんがTwitter上で実況した「週刊誌の編集長たちが集まって、週刊誌のこれからを考えるシンポジウム」レポートがまとまっています。

CONTENT'S FUTUREは今読んでも非常に示唆的で面白い本ですからコンテンツ業界に関わる人は必読です。

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CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)小寺 信良

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さて、上のレポートの中でSPA!の方が非常に面白い事を言っています。他の編集者が述べている愚痴や自慢とは明らかに違うかなり未来を示唆した意見です。補足ながらSPA!は僕の愛読誌の一つです。
  1. 津田大介
    tsuda SPA!「SPA!はそもそも週刊サンケイが2週間でリニューアルしたもの。なので基本的に数年ごとにリニューアルを繰り返してきているし、信念がないといえば信念がない。ただ、売れて稼げないと我々も何もできない。ここ1年くらいはどの雑誌も落ちている」
  2. 津田大介
    tsuda SPA!「金曜日以外は広告収入に頼るがそこも厳しい。うちは数年前に11億広告収入あったが、今は7億くらいまで下がった。もはや広告頼るのやめようという話になってる。景気が回復しても恐らく広告費は戻らない」
  3. 津田大介
    tsuda SPA!「広告に効果があるのかということが問われてる。本当は広告効果なんて大してない。それを代理店と我々がクライアントを騙してきた」
  4. 津田大介
    tsuda SPA!「最近は単行本の搬入量が非常に増えてる。雑誌は赤字だが、雑誌によって成立した書籍が黒字を出している。今どこで増やすか。書店やコンビニで売るのを頑張っても劇的に販売するのを増やしてもしょうがない。結局はウェブやケータイで優良販売を考えなきゃいけないだろう」
  5. 津田大介
    tsuda SPA!「記事や作ったコンテンツにお金を払って読む習慣を持っている読者を持っているということはものすごい強いことだと思っている」
  6. 津田大介
    tsuda SPA!「うちのデジタル部署の動きを見てこれはないな、と思ったのはSPA!のデジタル記事を扶桑社のウェブサイトで売っていたこと。だけど、扶桑社そのもののファンなんてのはいない(会場笑)。そもそも売る場所を間違えている」
  7. 津田大介
    tsuda SPA!「ケータイやネットの中に、雑誌売り場のようなものを作らなきゃいけないんじゃないか。SPA!だけでは厳しい。ネットやケータイの中にそういう場を作れば、今まで届きにくかった人に届くんじゃないか。ただ、ここ3年くらい20代の読者が目に見えて減っているのは確か」
SPA!意見を端的にまとめると以下の通りです。

  • 広告収入はもう元に戻らない。そもそも広告なんてほとんど効果が無いのに代理店と我々がクライアントを騙してきた。
  • 単行本収入が非常に伸びている。雑誌によって成立した書籍が黒字を出している。単行本として売って金になるコンテンツを雑誌の中で展開することが非常に重要。
  • デジタルもそのコンテンツを売れる観点から考える必要がある。ケータイやネットの中で売れる場をデジタルの販売方法として考えていく必要がある。

この意見は見覚えがあります。メディア王マードックがウォールストリート・ジャーナルの再生方法として新聞に売れるコラムや論説を掲載して、その部分は有料販売するという試みです。

この動きには続きがあり、最近ウォールストリート・ジャーナルの日本語版が立ち上がることが発表されました。ここでも本家と同じ目玉コンテンツの有料販売がスタートするかは未知数ですが、おそらく似たような形態が採用されるのではないかという予想もあります。

ネットの普及により新聞は速報性という新聞が最も得意としていた分野で強みを失いました。全ての新聞社が苦況に建たされていますが、多かれ少なかれ今後は売れるコンテンツを作っていく必要があるという事でしょう。
週刊誌も同じような路線が期待されていると思います。ジャンプなどはその利益の多くは週販の雑誌ではなく、単行本コミックの売り上げで稼いでいるという話は有名ですが、週刊誌もそのように単行本やネットで売れるコンテンツを作っていく必要があります。すでにSPA!にはグラビアン魂などお金を払っても良いなというコンテンツがありますので、そっちの方向を拡充していってほしいというのが、SPA!を愛読するものとしての願いでもあります。やはりゴシップではなく売れるコンテンツを模索していくというのが週刊誌の未来の方向性なのではないかと思います。