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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

未踏プロジェクトでこうすれば良い結果が得られるんじゃないかと思うTips

僕とid:kawatanid:octobaの3名で開発したcoRocketsが評価されスーパークリエイタに認定されました。

スーパクリエイタに認定されたのは制度上僕だけなのですがGUI全般を担当したid:kawatan、Webシステム全般を担当したid:octobaと二人の協力なしでは開発はすすめられませんでした。二人にはとても感謝しています。現在、coRocketsは機能強化をしたversion1.1のリリースに向けて準備をすすめていますので、楽しみにお待ち下さい。
さて、せっかくですので僕なりに未踏本体を通して感じた、こうすれば未踏でも良い結果が得られるんじゃないかと思う点をまとめておこうかと思います。

レビューのサイクルを回すことを重視

僕は普段は会社員として働いており、主に土曜日、日曜日の自由時間を利用して開発を行いました。なので、ノウハウ的には学生が未踏プロジェクトを行う場合よりも能率を重視する必要がありました。そんな状況で重視したのは、できるだけ早くソフトウェアを完成させ、可能な限りレビューのサイクルを回すことです。特にソフトウェアは作ってみないと、それがどれくらい良いかを判断することのが難しいので、プロトタイプを作ってはそれをレビューする必要があります。coRocketsのGUIは全てid:kawatanが作っているのですが、プロトタイプを評価しては作り直すというサイクルを3回ほど行いました。結果的にGUIは3回ほど作り直しが行われたのですが、結果としてコンテンツブラウザとして良いものができたと思います。
このようなレビューサイクルを可能な限り早く回すためには各人が他のメンバーから完全に独立して作業が行えることが重要です。id:kawatanはGUIのスペシャリストなので、この部分は本当にだっこにおんぶで、僕はひたすらGUIのレビューを行うだけだったのですが、結果的にここまでのクオリティのGUIに仕上げてくれたのも可能な限り多くのレビューのサイクルを回すことができたからというのが要因の一つなのではないかと思います。
今までいくつの未踏のプロジェクトを見ていると発表直前になって何とか動かしたというソフトウェアが多いように思われます。また、成果発表の段階でソフトウェアを公開していないプロジェクトも多く、デモレベルの品質に仕上げて終了するパターンも多いです。実際に完成度の高いソフトウェアを作ろうと思ったら、そのようなスケジュール感では良い物を作るのは非常に難しく、2月に発表があるならば、12月に仮完成、1月はβ版のリリースとレビュー、2月は正式版をリリースしてから発表というようなスケジュール感で開発を行った方が良いかと思います。

ニッチなニーズを満たすソフトウェアでも完成度が高ければいいんじゃないのかな

未踏の採択結果を見るとわかりますが、やはり大学の研究の延長のプロジェクトが多いです。未踏の採択結果を見ると修士や博士の研究成果を元に未踏に応募しているケースが未踏本体の2008年度上期では18件中8件ほどでした。残りはベンチャー、会社員、フリーの方が応募したケースになるかと思います。それでは、修士、博士の人々のような研究成果を持っていないエンジニアはどうすればよいか。
id:shi3zさんが未踏プロジェクトのテーマに関して以下のように書かれています。こちらも非常に参考になる意見です。

id:shi3zさんが書かれていることを前提に考えてみると、たぶん社会人をやっているとこれやってみたいけどちょっと会社でやるのは難しいなと思うネタがあると思うんですよね。で、実は世の中を見るとそういうやりたいことを専門に扱うソフトウェアというのは存在していないケースが殆どだと思うのです。
特に少しでもニッチになるとむしろそのニーズを満たしてくれるソフトウェアを探す方が難しい。そういうニッチなニーズを満たすソフトの方がえてしてソフトウェアの開発の良いシーズになると思います。
僕としては、そういうニッチなニーズをすくい上げるような完成度の高いソフトウェアというのも方向性としてはありなのではないかと思います。というのも世の中で出来の良いソフトウェアというのは一握りで、大半は「そこまで出来は良くないが広範なユースケースをカバーしている」ソフトウェアを我慢して使っているケースが多いからです。しかし、実際にユーザのユースケースを分析してみると専用のソフトウェアであることの利点が明らかにあるような分野も存在する。たとえばcoRocketsにしてもPlaggerとPS3 Media Serverを使えば、より強力な環境は構築できると思うのですが、実際にこの環境を作るとなると非常に敷居が高い。そこにインストーラで簡単にインストール可能なソフトウェアを提供することはそれだけで価値があるのではないかと考えました。この辺りのニッチなニーズとその分析に関するトピックは以下の書籍に詳しいのでお勧めです。社会人で未踏に応募してみたいなという方は必読だと思います。

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方
Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方青木 靖

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といっても結局うまくいくかどうかはわからない

まぁ、上のように書いては見たものの結局それがうまくいくかどうかはわかりません。僕もあがいてなんとかうまくまとまっただけで、作っている最中はどうなるかあまり見えていませんでした。そんな中でも良い結果を何とか模索しただけです。
ただ、レビューのサイクルを可能な限り回すことは非常に重要だし、あまり未踏性にこだわらずニッチなニーズを満たす完成度の高いソフトウェアという観点から攻めるというのも戦略としてはありなのではないかと思います。
なんかよくわからないエントリーになりましたが、何らかの参考になれば幸いです。Twitterなどで質問していただければ、いろいろ細かい点などもお答え可能かと思いますので、未踏本体への応募を考えている人などは気軽に声をかけてください。