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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

id:kawangoさんのコンテンツプラットホームの未来を考える

またまた、id:kawangoさんから刺激的なエントリーがあがっています。これでid:kawangoさんのエントリーもおしまいということですが、最後にコンテンツプラットホームの未来について語ってくれたのは非常にうれしい限りです。このブログはFuture Insightというタイトルになっている通り、開始時はグラビアメインではなく、コンテンツの未来についてを考えていこうと思っていました。なので、原点にかえって以下のエントリーを自分なりに理解していきたいと思います。

上記エントリーにちりばめられたトピック一つ一つがかなり重めなため、全体としての結論はなんとなく明確なわりに、ちょっと理解するのが難しいエントリーになっています。なので、自分なりに理解が難しい部分について考えてみたいと思います。このエントリーを読む前に上記エントリーを読んでおいていただけると助かります。

プラットフォームに色をつけるべきか

まず、前半のプラットフォームに色をつけるべきかというトピックがあります。

そもそも色がつかないプラットホームのほうがいいという戦略はなにがいいのか、メリットを考えてみると以下のふたつぐらいしかないと思う。

  • 対象とするユーザの母数が増える。
  • 中立の立場をとることによりユーザからの無用の反発をうけないですむ。

上記のメリットが成立する暗黙の前提条件は次のとおりだろう。

  • 色をつけてもプラットホームへのユーザはそれほど増えない。
  • 上にくわえて、色がついたことにより失うユーザのほうが多い。

つまり逆にいえば色をつけたことによりユーザの吸引力を大幅に高めることができるのであれば、色をつけるという戦略は成立する可能性があるということになる。

id:kawangoさんはここでプラットホーム自体に色をつけて、プラットホームがアーティストを目指すという方向性を提示しています。日本では、色をもっていないプラットホームがMixi、色をもっているプラットホームがPixivでしょうか。

ネットにおいても色のない中立なプラットホームがいったん覇権を確立したあとは、強い個性をもち流行を自らつくり出すようなサイトが新しいプラットホームをつくり勢力図を塗り替えるだろう。

完全に私感ですが、Mixiは幅広い機能追加を繰り返しており、プラットホームとして可能な限り色を持たないようにしているようにみえます。逆にPixivは多数のイベントを積極的に仕掛けており、非常に色をもったプラットホームを志向しているように感じられます。Mixiの色をあげるとしたらサイズそのものでしょう。
そう考えると、やはり現代は可能な限り魅力的な色をプラットホームにつけていく方向性のほうが爆発力があると考えていいのでしょうか?しかし、プラットホームに色をつけるということは、Pixivを見るに収益化の方向性を非常に限定させるようにも見受けられます。つまり、プラットホームの色を強くつけることは、その色に反する収益化を採用することが困難になり、収益化の難易度も挙げてしまうという懸念があるからです。逆に、今売上が立っているGreeやCookpadは可能な限り色をつけず、プラットホームとしての純化を進めているようにも見受けられる。ただ、Cookpadなどはその純化自体がライフスタイルの提示というid:kawangoさんのおっしゃる色となっている側面もあり、非常に解釈が難しいです。
つまり、色を上手につけるとその分効果的なことはみんな知っているのだが、その色の付け方自体が非常に難しいというのがプラットホーム作りの現状なのではないかと思います。

iPhoneプラットホームが成功できない理由は

iPhoneプラットホームについて、次に考えてみます。

iPhoneアプリなんかはどうだろうか?これについては既にいくつかエントリを書いているので詳細な説明は省くが、結論だけいうと、自由にサードパーティが参入できて、なおかつ、上位プレイヤーが十分に儲からないコンテンツ市場というのは失敗する。サードパーティがプラットホームホルダーに対抗できる大きさに成長できない

iPhone 3GSを購入し、使ってみて感じたことですがiPhoneの一番の問題は、無料のコンテンツで十分に時間がつぶせてしまうことなのではないかと思います。XBOX360にもPSPにもPS3にも無料で十分に時間を潰せるコンテンツというものは提供されていません。しかし、iPhoneには無料で十分に時間を潰せるコンテンツがそろいつつあります。僕は実際に、「Byline+Googleリーダ+まるごとRSS」というBylineの600円を払っただけの環境で、ほぼ無限に時間を潰せる環境がそろってしまいましたし、Twitterクライアントも夏ライオンなどは非常によくできています。
ご存知の通り、現在、携帯機は時間の奪い合い、据え置き機はお金の掛け合いというのが世界のコンテンツ市場の現状ですから、時間の奪い合いである携帯機で無料で無限に時間を消費できる環境を構築できてしまうiPhoneはプラットホームとして非常に危ういと言わざるを得ません。
と言っても僕が見えていない部分というのはたくさんあると思うので、あれなのですが、iPhoneがAppleが一番もうかるシステムになっており、ほかのコンテンツホルダーが力が持ちにくい構造になっているというのは疑いようのない部分でしょう。

コンテンツホルダーとプラットホームホルダーの関係性

さて、一般的にコンテンツホルダーがプラットホームホルダーに対抗する力をもつ方法をid:kawangoさんが紹介していますが、その目安がテレビCMであるということです。

サードパーティが力をもてるかどうかについてはTVCMがうてるぐらいまでならないと駄目ということだが、そのためには、当然、コンテンツの市場規模が十分に大きいことが必要で、また、全員のプレイヤーがTVCMをうつわけじゃないから、TVCMをうてないプレイヤーでもそれなりのプロモーション手段が用意されていないといけない。

この考えは持っていなかったので非常に参考になりました。つまり、プラットホームホルダーにとってはコンテンツホルダー側がどんなにがんばってもTVCMをうてないくらいのギリギリのラインを狙うことで、効果的にコンテンツホルダーが力を持つことを防げるわけですね。iTMSはこれを意図的にやっているんでしょうか。ちょっと、この部分は僕には判断がつかないのですが、iPhoneは世界では4000万台の市場があるといっても、一つの国単位では数百万台レベル。TVCMという地域に強く依存する方法がきわめて利用しにくい新しい形のプラットホームであることは間違いないんじゃないかと思います。あと、iTMS自体で何か仕掛けるときはAppleの了承が必要なのもかなりヤバい部分ですね。
また、iPhoneは僕の感覚からいうと参入障壁が低すぎます。この参入障壁の低さは革命的ですが、大きな会社にとっては、逆に無限の素人のセンスと戦い続けなければいけないという事実に直結しており、明らかに今まで体験したことのない戦場となっていくことが明白です。歴史的にみても、本当に面白いプラットホームだと思います。プラットホームの方法論としていかにコンテンツホルダーに与える力のぎりぎりをどのように狙っていくかというのは考えていく必要があるでしょう。

コンテンツとプラットホームが融合する未来

さて、最後の部分です。以下の内容を僕は今後、この業界に生きていく上で何度も考えることになるのではないかと思います。

まあ、現実的に考えて、権利者団体が突然覚醒する可能性は高くはないので、コンテンツホルダーは、とりあえず自分たちだけでもプラットホームをどうやって握るかを考えたほうがいいだろう。
また、IT業界側は、コンテンツホルダーの協力を期待したり、強制しようとしたりするのはやめて、自分たちでコンテンツをつくることを考えた方がいい。その場合はフォーマットも自分たちでつくるのが結局一番安くつく。
そして、すべてのコンテンツはプラットホームと融合する時代がくる。

コンテンツとプラットホームの融合を本気で志向するというのがどういうことなのか。その方法論を自分の中でまとめていきたいと思います。とりとめのないエントリーになってしまいましたが、id:kawangoさんのエントリーに対する僕なりの理解として読んでいただけると幸いです(つまりまだ何にも理解できていないということです)。