読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

どうして日本企業はルンバを作ることができなかったのか

皆様、お掃除ロボット ルンバをご存じでしょうか?

iRobot Romba 自動掃除機 ルンバ 537 白色
iRobot Romba 自動掃除機 ルンバ 537 白色
おすすめ平均
stars買ってよかった!
stars家電のかくめいやー。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
勝手に部屋に全面掃除機をかけてくれるお掃除ロボットなのですが、たまに飲み会などで「ルンバすごく良いですよ」っていう話をすると、興味を持ってくれる方が多いので、YouTubeで動きを簡単に録画してみました。

動画の出だしみたいなかわいい音を出して動きだし、部屋の掃除をしてくれます。といっても動作中は結構大きい音がするので、外出前にスタートボタンを押して、会社から帰ってきたら掃除が終わっている運用をしています。ルンバは日本で買うと7万円程度とかなり割高なのですが、米国で買うと299ドルなのでおよそ27000円です。日本で売っている交換用フィルター、ブラシがそのまま利用できるため、メンテナンスも問題なし。ただ、米国で買ったモデルの修理は日本法人は受け付けてくれないらしいので、そこは半額以下で買えることのデメリットと思って我慢いただくしかありません。僕は米国出張の帰りに買って、機内にハンドキャリーで持ち込みましたが、ハワイでも購入可能らしく、今やギークのハワイ土産の定番になっているという嘘くさい噂も聞いています。あと、たまに受けるランニングコストの質問なのですが、4ヶ月に一度取り替えるフィルターが3枚で3000円程度、あと交換用ブラシ、電気代などを考えても、月に1000円は超えないのはないかと思います。
とても便利なルンバですが、リビングがある程度の大きさがないとあまりメリットがなさそうです。我が家はリビングと和室が一続きになっているためルンバの掃除範囲がかなり広い+荷物を極力置かないインテリアを心がけているため、ルンバが大活躍なのですが、たぶん一人暮らしではあまりメリットはありません。そのお掃除性能は粉塵除去率99%というどうやって計測したのかわからない公式性能は置いておいて、たしかに埃+髪の毛はほとんど除去してくれます。
まぁ、こんな革命的に便利なルンバなのですが、使えば使うほどどうして日本企業はこれ作れなかったのかなーっていうのを考えてしまいます。だって、すごく便利なんですよ、ルンバ。もうどっかのブログで考察済みかもしれませんが、ざっと自分が思いついたことを書いてみます。

ルンバは軍事技術の転用だよ説

一度ルンバを見たことがある人は何か地雷駆除装置的なものを想像すると思います。僕もつい最近までアメリカお得意の軍事技術かNASAの技術の転用だろと思っていたのですが、やはりそういうところに近い技術のようです。

ただ、どうもそれだけではない何かを感じます。ぶっちゃけ、ルンバは軍事転用で作ったものにしては詰めの甘さがなく、非常に便利だからです。その動きの特性は愚直というのがふさわしい、しつこくしつこく細かいところも掃除し続けます。その挙動特性は以下のようなモノらしいです。

ルンバは掃除している部屋の地図を作成しない。その代わりに、らせん状に掃除する、壁伝いに掃除する、何かにぶつかったら角度を変えてランダムウォークするなどのいくつかの単純なヒューリスティックスで動作している。この設計は MIT の研究者であり、iRobotのCTO でもあるロドニー・ブルックスの哲学によるものである(包摂アーキテクチャ参照)。この結果として、ルンバと人間の掃除の仕方を比較するとルンバの方が時間がかかり、特定の箇所を何度も掃除するのに、別の場所は一回しか通らないとか全く通らないということが起きる。

アメリカのロボット技術は軍事転用をほぼ100%想定しているので軍事技術の転用と言えなくもないですが、ルンバも試行錯誤を重ねて第5世代に到達しており、一朝一夕で今のルンバができているわけではないことがわかります。ルンバを作成しているiRobotは創設者がMITの人口知能研究所の所長というわけで、なかなか日本では達成できていない大学の技術がもになってできた製品のようです。

どうして日本企業はルンバをつくれなかったのか

そんなわけで僕の考えでは白物家電が得意な日本企業がルンバを作れなかった理由は以下のようなものかと思います。

  • そもそも家の小さい日本ではルンバが米国ほど便利ではない。家の中も靴で上がらないので、粉塵除去を行うニーズがそこまで高くない。
  • 完璧なマップをマシンの中に作成して、きれいにするという日本企業が考えがちな概念上にルンバが存在していない。簡単な挙動特性を確率的に組み合わせてカバー率を上げるという完璧を指向しない戦略が採用されている。
  • ルンバはかなりの勢いで家具にぶつかって行くが、その辺りの挙動を製品化することが日本企業ではなかなか難しい。
  • このあたりのことを一番得意そうなソニーが掃除機を作っていない。

別にルンバが作れなかったから日本企業がダメだとか、そういうおきまりのことを言いたいわけではなく、ここまで便利なものが作られなかったのはなんでかなーっという単純な好奇心から考えてみました。ルンバ、かわいいよ、ルンバ。