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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

スマートフォン市場とゲームコンテンツの未来

はちま起稿などの大手ゲームブログでもゲーム業界に関する話が最近増えてきています。

上のエントリーでもありますが、ゲーム各社の決算を見ても厳しい状況が続いています。他方、モバゲーを運営するDeNAの決算は絶好調。以下のニュースなどを見てもその好調さがわかります。

さて、このニュースなのですが、こちらが非常に面白く読み応えがあります。特に以下の箇所などは、一部の人達には認識されており、僕もアンドロイドの論点でも書いてきましたが、改めて読んでみると非常に面白い部分です。

さらにDeNAは2014年にはスマートフォンが世界で20億台普及すると予想している。モルガン・スタンレーの調査によれば、スマートフォンの出荷台数は2012年にPCを逆転し、同時期にフィーチャーフォン(一般的な携帯電話)を逆転する可能性があるという。iPhoneをはじめとしたスマートフォンユーザーは携帯端末利用者の平均以上に、ゲームやSNSなどのモバイルコンテンツを利用する傾向にあるというデータもある。
DeNAはここに目をつけ、世界のスマートフォン向けゲームコミュニティに狙いを定める。重視するのはiPhoneとAndroidだ。現在のスマートフォンのゲーム市場について南場氏は、「大手がまだ実績を出しておらず、混沌としている」「ほとんどのゲームがソーシャルな要素を備えていない」「コミュニティを持つ競合が不在」と分析した。よって、DeNAが存在感を示す余地は十分にあるという。
「現在のiPhone向けアプリには、App Storeのランキングを上げるしか顧客獲得手段がない。だがコミュニティを持つと、招待機能のようなバイラル効果があったり、ゲームユーザーがコミュニティに定着したりする。コミュニティのあるなしでプロモーションコストは変わってくる。なかでもバーチャルコミュニティのパワーは大きい。実名のリアルなコミュニティはリアルな人間関係の枠の中の、さらにアクティブな人たちで遊ぶ。複数のゲームを移っていくなかでユーザーが縮小し、リアルの枠から広がらない。バーチャルなコミュニティだと、新しいゲームに前のゲームから友達を誘うこともできるし、そこで新しい友達を作ることもできる。プレイヤーが広がっていく。ニッチなゲームが好きで、リアルな友達には仲間がいなかったとしても、バーチャルなコミュニティなら対応できる。バーチャルだからこそ、ユーザーを拡大できる」(南場氏)

簡単にまとめると、日本はコンシューマゲームにおいても、ガラケーをベースにしたソーシャルゲームにおいても、その未来に関しては少々疑問がでており、他方スマートフォンは2014年までに20億台の普及が見込まれています。この20億台の普及ゾーンにしっかり喰い込むのが、ゲームコンテンツを扱う企業としての狙いどころになってくると思うのですが、コンシューマゲームをスマートフォンに最適化するケースとソーシャルゲームをスマートフォンに最適化するケースは近いように見えて、全く違う作業なのです。
コンシューマゲームとソーシャルゲームのそれぞれのビジネスを簡単に考えてみると、コンシューマゲームのベースは基本的にそのコンテンツを一定額で買い切り、ユーザはその買い切ったコンテンツを決まった時間で消費することがビジネスのベースとして存在します。ソーシャルゲームは逆に、無料のゲームをたくさん用意し、ユーザがそのゲームをさらに楽しむためにお金を払ってもらうことがビジネスのベースです。
この二つを比べた場合、スマートフォン市場に親和性が高いのは、ソーシャルゲームだと思われます。それは、コンシューマゲームはその販売するコンテンツが存在することをマーケティングで一気に認知させる必要があるのですが、iPhoneもアンドロイドもこの部分がとても難しいことがわかってきたからです。例えば、ディスクメディアを販売するのであれば、Amazonやヤマダ電機のような販路が存在し、あとはそこにどのように人を流入させるかのノウハウ的なものというのはある程度分かっています。ただ、iPhoneやアンドロイドでは、その買わせるという部分のマーケティング的なノウハウがほとんどなく、単純にコンテンツが存在することを認知させるだけでも例えばiPhoneならAppleの協力が必要不可欠だったりして、非常にやりにくい側面があります。
他方、ソーシャルゲームはDeNAの南場氏が言うようにコミュニティをベースにしており、CMでモバゲー、GREEが連呼されているように、同じ感覚で「iPhoneでもモバゲー」、「Androidでもモバゲー」というようなことを叫べば、モバゲーをやるためにガラゲーからAndroidにシームレスにユーザをつなげることができます。
つまり、コンシューマゲームの「コンテンツを売る」という特性よりも、ソーシャルゲームの「ゲームコミュニティを提供し、そのなかでお金を払ってもらう」というスタイルの方がよりスマートフォンのビジネスに親和性が高いとシンプルに考えられるのです。ただ、ではコンシューマゲームのノウハウが全然役にたたないかというとそんなことは全然なくて、それを活かした展開もいろいろできると思います。このあたりは最近非常に興味があり、いろいろ考えているので、週末にでもオクトバで掲載しているアンドロイドの論点できちんとまとめてみたいと思います。