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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

Androidのウィルス問題と個人の便利さのトレードオフ

Androidに急増するマルウェア、ウィルスへの対策としてドコモがマカフィーと組んでセキュリティアプリを無償提供するようだ。

こういう問題に早めに手を打つのはいいことだとおもうのだけど、Androidのマニュフェストはやはり機能しなかったか。Androidにはマニュフェストという面白い仕組みがあり、そのアプリケーションがアクセスする情報をアプリケーション自体がまず宣言して、宣言された情報以外にアプリケーションは取得できなくなる機能がある。例えば、電話帳の情報などはよほどのことがない限りアプリケーションにはアクセスさせたくないと思うので、この機能を使えばユーザの判断で自分の情報を守ることもマニュフェストに記載された情報から可能になる、というGoogleらしい読みがあった。アンドロイドマーケットの各アプリのページにある「アクセス許可」に表示される情報がそれだ。

セキュリティ意識の高いユーザーはアプリマーケットにあるマニュフェストの設定をきちんと見て、自分が渡したくない情報にアクセスしようとするアプリはインストールしなければ良い。エンジニアリング的にはGoogle側はノーコストでユーザに選択肢を提供できるわけだから、非常にかしこい方法だと思う。かなりスマートだ。ただ、この機能がほとんど機能しなかった理由がいくつか思いつく。

  1. そもそもユーザーはこんな「アクセス許可」なんてページをわざわざ確認しない
  2. アクセス許可の概念自体を知らないユーザーが急増している
  3. ちょっとでも便利そうな機能があれば、ユーザーは自分の個人情報へのアクセス権にはそんなにこだわらない

メインは1、2なのだと思うが、個人的には3の「ちょっとでも便利そうな機能があれば、ユーザーは自分の個人情報へのアクセス権にはそんなにこだわらない」がおもしろいポイントだと思う。
多くの企業がたくさんのデータをインターネットに吸い上げているのはもはや自明である。Facebook、Amazon、Google、Ebayなどなど、データこそが勝負を決めることをはっきりと認識し、Googleなどは吸い上げたいターゲットとなるデータを吸い上げるためだけにいろいろなサービスを作っている。このデータ吸い上げにとって、アンドロイド、iPhoneのような携帯端末はまさに喉から手が出るほど欲しいパーソナルな情報の山なわけだ。ここから情報を吸い上げるためいろいろな企業が「便利な機能を提供します、なので情報を吸い上げさせてください」というトレードオフを持ちかけている。スマートフォン持っていたら、だれでも一度はGoogle Mapsを位置情報付きで使ったことありますよね。例えば、あの履歴も人間の行動履歴という観点からみると宝の山だとおもいませんか。なので、僕たちは便利な機能を提供してもらうかわりに自分の個人情報を吸い上げを間接的に許可しているわけだ。もちろん利用規約を読めばしっかりと情報を取得することは書かれているからこれは全然違法ではない。それどころか多くの人は、個人情報吸い上げてもいいからもっと便利な機能くれよ!と思っていると思う。
この間隙を狙ってAndroidにもマルウェアやウィルスが急増しているのではないかと思う。つまり、自分たちが便利な機能を提供するフリをして利用規約にも書かれていない情報を吸い上げるアプリ。キャリアとしてもこの問題はスマートフォンの便利さの根幹に関わる問題だと認識しているのだと思う。なので、ドコモの素早い対応はえらいなー、と素直に感心した。