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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

資本主義というテーマで何かを語ることの難しさとおもしろさ

そもそも資本主義ってなんなのか、という疑問はWikipediaを読んでいただくとして、資本主義という言葉が最近いろんな文脈で登場していますね。

ひとくちに「資本主義」といっても時代や国によって体制には差があるが、一般的に以下のような特徴を持つものであるとされる。

  • 私有財産制(民法体系による司法による財産権の法的保護、経済的自由権)
  • 私企業による生産
  • 労働市場を通じた雇用、労働
  • 市場における競争を通じた需要、供給、取り引き価格の調整、契約の自由

但し、以上のうち、どの特徴が資本主義にとって本質的なものであるか、どの特徴が偶有的なものであるか、については必ずしも意見が一致しない。

というのも、資本主義のフロンティアという特集を今月のGQが行なっており、これがZOZO Townの社長からライフネット生命保険の副社長の岩瀬さん、チームラボの猪子さん、TSUTAYAを展開するCCCの増田さん、ついでに竹中平蔵と佐藤優という異色の組み合わせが資本主義に関してインタビューに答えていました。

by カエレバ

ここに評価経済を混ぜてくるとカオスな感じになっておもしろいのですが、今回は評価経済のはなしは置いといておもしろいなーと思った言葉を紹介。

  • ZOZOを展開するスタートトゥデイCEOの前澤さん 資本主義の最前線はどこかという質問に対して: 「日本は自分たちのアイデンティティを打ち出し、独自の資本主義の道を進むべきです。それが実現したことの将来性を含めて、日本が最前線ですね。そのために必要なのはお金の民主化ですね。民間から選ばれた選ばれた民間の代表者がお金の量を調整する権利をもつという意味です。」
  • ライフネット生命保険の副社長の岩瀬さん: 「日本は本当の意味での資本主義ではない。国の規制が厳しいし競争がないし効率的ではないから。新しい企業が生まれ、反対にダメな企業が退場する資本主義のダイナミズムが働いていない。」日本の経済の舵取りをするならどうするかについて「特定の企業に対する補助金や規制をなくして、ダメな会社は退場する仕組みをつくる。競争原理を働かせるために企業買収のようなことを正しくできるようにする、当たり前のことを普通にやるのではないかと思います。」
  • チームラボ代表猪子さん:「事実上社会に大きな価値をもたらす存在が、経済のみえないところで急速に生まれ始めているんです。脱資本主義っていうと競争がないと考えがちだけど、むしろ企業と非経済体の間ではすごい競争が巻き起こっている。今や企業の敵は非経済体、もっというと組織ですらない有象無象の個人。今後はますます複雑な競争社会になっていくと思いますね。」

竹中平蔵と佐藤優の対談はポジショントークすぎてつまらないですね。以下の3人はもう好き勝手しゃべっている感じで非常に良かったです。岩瀬さんはハーバード大MBAですから、まさに資本主義の信奉者。わかりやすい考え方です。

さて、この特集を読んで感じたこと。まず、資本主義という言葉自体の定義がふわふわなので、自分の考える次の社会の対立軸として、それぞれ自分の考える資本主義を置いているという側面があるとおもいます。つまり仮想的としての資本主義ですね。でも、Wikipediaを見れば分かる通り、資本主義のベースは「市場における競争を通じた需要、供給、取り引き価格の調整、契約の自由」で、それを保護する各種の法律が整備された状態を資本主義と呼ぶ以上、ほとんど全ての現在のビジネスの枠組みは資本主義の上にある。なので、次の社会の形を考えるときに資本主義を対立軸にするのは議論としては、かなり発散してしまう可能性がありそうです。

ただ、雑誌の企画としてはかなり面白かった。それは、つまり資本主義という言葉のマジックなのですが、資本主義という言葉が融通無碍なので、自分の好きなことが言えるんですね。ここからいろいろ課題を整理すると、また次の特集を考えることができそうです。なかなかGQは面白いなー、と思いながら読んでました。