読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

Gmailの「プロモーション」タブが導入されて、楽天の広告メールを一通も見ることがなくなったのはテクノロジーの勝利

たまにはタイトルで言いたいことを言ってしまおうかと思って書いてしまいましたが、Gmailにおいて以下の仕様変更が行われて、「プロモーション」タブが導入されたことで、楽天の広告メールを一通も見ることがなくなりました。大量の広告メールというメールシステムの破壊者に対して我々が抵抗する術は「スパムとして報告」くらいしかなかったことを考えると、これは確実にテクノロジーの勝利だと思います。

公式の機能説明はこちら。

「プロモーション」タブ導入のGoogleにとっての価値

最初はこの変更について、その意味がよくわかってなかったのですが、一ヶ月ほど使ってみてこの変更の意味を理解しました。つまり、楽天などの広告メール爆撃でほとんど意味が失われてしまったメールというシステムの価値をなんとか取り戻そうとするGoogleの施策だったわけですね。特にプロモーションタブに広告メールが全て集約されたことで、これまで多数受信していた楽天やAmazonの広告メールが全て「プロモーション」タブに自動的に振り分けれられ、基本的に自分の生活の中で見ることがなくなりました。GoolgeにとってGmailはそのPCにユーザーをログインさせるための要となるサービス。Googleにログインした状態でブラウジングさせてこそ、たくさんのデータをGoogleは得ることができます。その中の要のサービスであるGmailの役割がメールの価値の低下とともに相対的に低下していく可能性があったこと(実際すでに若い人でメールをほぼ使ってない人は結構多いと想像)を考えると、今回の変更はメールというシステム自体を改善するGoogleの戦略的な一歩と評価できるかと思います。このあたりの話は以下の本が非常にオススメ。Kindle版もあります。

広告メールを「スパム」として扱うことと「プロモーション」として扱うことの技術的な大きな差

さて、今回の「プロモーション」タブの導入がどうしてそこまで価値があったかというと、「技術的に広告メールをスパムとして扱うのは筋が悪い」というのがあります。広告メールが0.1%のユーザーには役に立っている可能性もあるので、網羅的に全てをスパムフォルダに入れるわけにはいきません。広告を配信する楽天側もおそらく0.1%のユーザーに引っかかればよいというロジックでメールを配信していると思いますが、そのためにメールというシステム自体の価値を大きく毀損させているのですから、広告メール配信側も同様のロジックでメールを配っていると想像します。品物購入時にデフォルトで複数のメルマガ購読を有効にするという頭がおかしいとしか思えない設定を続けている企業ですから、今後も何かしら改善を期待するのは難しいでしょう。となると、やはりここはシステム的に対処する必要があります。ただ、これまでのアプローチでは万が一本当に広告メールが欲しいユーザーがいた場合を考えて網羅的に広告メールをスパムメールにすることはできませんでした。
しかし、「スパム」ではなく「プロモーション」にするのであれば、話は別です。だって、広告メールを「プロモーション」として扱うことはまったくもって意味的に正しいことですので。その正しいアプローチを行った上で、メールをどうするかはサービス・プロバイダであるGoogleの自由です。広告メールを「スパム」とすることは個人的な解釈の問題が発生する可能性がありますが、広告メールを「プロモーション」にすることは少なくとも意味的には正しいことであり、Googleは役に立たないメールを「スパム」にするというアプローチから、広告メールを「プロモーション」に分類するという行為に問題を再定義したのです。
正直、Googleにとって広告メールを「プロモーション」に分類することは非常に簡単な問題なのではないかと思います。というのも、Gmailほどの規模になるとどの業者からどのくらいのメールが流入しているかは一目瞭然ですので、あとは同一内容に近いものを見つけて、同一期間内に配信されたメールを見つければかなりの確率で広告メールの候補を探すことができます。あとはプロモーション用のベイジアンフィルタと合わせて運用すれば、ほぼ広告業者は抜くことができないシステムが完成すると思います。楽天にとっても今回の変更は死活問題(メールからの広告のクリック数は確実に減少する)ですので、なにかしら対策を行う可能性はありますが、正直かなり分が悪くなったと考えるのが自然です。となると、これまでの絨毯爆撃式広告メールシステムから、違ったアプローチに切り替えていく可能性があります。

メールを「プロモーション」に入れない技術

さて、今回の変更でメール配信をユーザーとの接点のメインにしてきた企業にとってはひとつの課題が生まれました。それは自分たちのメールを「プロモーション」に入れないのはどうするのか?という課題です。
若干スパマーが形態素解析的なフィルタを避けるために考えだされたメールを構成する単語として最も位置的に遠いものを組み合わせる「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」案件に近いものを感じますが、今回はさらに企業にとって切実のように思います。だって、実際に企業が配信しているものは「プロモーション」にされても意味的には間違いない可能性が高いので。このあたりはGXEBでつっちーが発表した以下の資料などをベースに関係各所は真剣に考える必要ありそうです。

もしかしたら僕らの想像つかないような手法でこのGoogleの「プロモーションフィルタ」を回避してくる企業があるかもしれないので、ネタとして楽しみにしたいと思います。