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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ただの時計としてのApple Watchの評価

前回に引き続き、もうちょっとだけApple Watchネタについて。以下のエントリーが興味深かった。

時計専門家のBenjamin Clymer氏のレビューなのだが、以下の部分が興味深い。

Apple Watchの全体的なデザインレヴェルは、デジタルでもアナログでも、350ドルという価格帯の腕時計空間のすべてを吹き飛ばすだろう。同価格帯でこれほどの動きの滑らかさ、細部へのこだわり、ビルドクオリティに追随するものはない。

私の時計は何世代も使い続けられるが、このApple Watchは運が良くても5年ほどしか持たない。感情的なレヴェルでは、Apple Watchと伝統的な時計を比べることはできない。だから私はシリアスな時計愛好家(であり、かつ通常ならアップル製品のリリースにお金を払おうと走る人たち)が、Apple Watchを買うとは思わない。

まず、「350ドルの時計としてビルドクオリティとしては、同価格帯で付随するものはない。」という評価。時計としてのビルドクオリティという観点では、このBenjamin Clymer氏の写真は非常にわかりやすい。

そして、ビルドクオリティというのは、確かに一つの観点のように思う。スマートフォンの登場で一番市場を失ったものといえば、コンパクトデジカメと時計が真っ先に思いつくが、そんな市場がなくなりつつある時計を出してくる意味を改めて考えた時に、スマートフォンと一緒に動くからこそ、改めていままで存在しなかったら数百万台規模の市場が発生したと考えることもできる。ロジックとしてはこうだ。

  • もともと時計を「時計を見る」という機能を目当てに買っている人がいた
  • しかし、時計を見るだけならスマートフォンで事足りるようになったので、「時計を見る」という用途以外を求めていた人が市場としては残った
  • 残った人はもともとファッションやTPOにおけるステータスとしての時計を求めていたので、その市場にApple Watchが入ってくるのはなかなか難しい
  • ということであれば、スマートフォンを買ったことで時計をしなくなった層に訴えかける何かが必要になる

上記で考えた時に、時計専門家としての感想は非常に的を射ており、まぁ、Apple Watchと現状でも時計を愛している人がそれでもつけている時計を比べるということは難しい。ただ、「スマホネイティブ」として時計を再定義したときに、時計をしなくなった層が何割か戻ってきたらそれは、一気に失った時計市場を奪取することができる。なくなった市場の顧客をごっそり奪いにいくのだから、前提の市場はかなり大きく算出することができ、そのスケールメリットからそこに投入するのは「350ドルという価格帯では比類するもののないクオリティ」となるわけだ。

正直Apple Watchが流行ったら、すごいと思う。少なくとも時計デバイスをあらためて多くの人にもう一度必要と思われる価値を提供することができたら、それはスマートフォンが奪ってきた様々なデバイス市場を改めて作りなおすことになるから。とかんがえると、このApple Watchというデバイスは、他のデバイス市場にも適用できるのか、という観点からも注目できるな、と思った。いや、もちろんApple先生の実力をベースに測ってもあまり参考にならんけど。