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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

テクノロジーに敷かれた知の高速道路の次

下記の「IT系の編集者・雑誌・記者・ライターが激減している」というエントリーを読んで、そもそもテクノロジーに必要な知識とは何なのかを考えた。

覚えている人ももうすくないと思うが、梅田望夫氏が書籍「ウェブ進化論」と「ウェブ時代をゆく」で「知の高速道路」「学習の高速道路」について説いた。これは特にテクノロジーに限ったことではなく、様々な分野でオンライン学習を利用することで大学教育レベルの知識がすぐに取得可能になる、しかしその後に大渋滞が起きるという指摘だった。

「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走りぬけた先では大渋滞が起きています。」

さらにこの後に、以下のことを書いている。

「「知の高速道路」が敷設され、癖のない均質な強さは昔に比べて身につけやすくなった。しかし「高速道路を走りきった後の大渋滞」を抜けるには、加えてこれらの三要素が不可欠なのだ。特に「際立った個性」の強さが、最後の最後に紙一重の差を作り出す源となるのである。そしてそれは、どんな分野にもあてはまる普遍性を有する。私は、これからの時代の「超一流」を目指すとは、突き詰めればこういう事なのではないかと思うに至ったのである。」

テクノロジーに関しても似たようなことが起こっており、ある程度の知識はStackOverflowやQiitaのプログラマ向けの情報共有サイト・Q&Aサイトを利用することで、取得可能になったが、実際の知識はある現場に付属する運用ノウハウや生きた運用などとセットではじめて大きな価値を生み出すものだったり、チーム内で物事を成し遂げることの方法論そのものに大きな動きがあったりして、そのあたりを学ぶには「優秀な人とチームを組む」ことが一番の方法になった。

さて、上述のテクノロジー系書籍事情を考えてみると、この書籍というのは、いわば高速道路の一部であり、その部分に関する知識は現在濃密に提供されている。もしくは提供されていない分野は非常にニッチか、非常に世に出にくい知識になっている。

となると、「IT系の編集者・雑誌・記者・ライター」がすべきことというのは、今後もせっせと高速道路を整備することではなく、その先の体験をどのように設計するか、に移っていくはずだ。しかし、この体験というのは、実際はまつもとゆきひろ氏のいうところの「適切なサイズの課題」を常に提供される場所ではないと、自分の力にすることが難しい。であるならば、「優秀な人とチームを組んで、適切な課題を体験できる環境の提供」こそが次のビッグイシューになるはずだ。

といっても、単純にセミナー形式にするとかそういう話ではなくISUCONのような中途半端な設定のサーバ設定を公開し、それをチームで時間ないにチューニングして、最後にみんなでノウハウを公開しあうフォーマットがおもしろいのではないかと思う。

ISUCONとは

お題となるWebサービスを決められたレギュレーションの中で限界まで高速化を図るチューニングバトル、それがISUCONです。過去の実績も所属している会社も全く関係ない、結果が全てのガチンコバトルです。

このあたりのことを真剣に突き止めると次のアクションが見えてくるのではないかと思う。