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FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

なぜGoogleはいまさらAmazonをライバルといったのか

グーグルのシュミット会長が「最大のライバルはアマゾン」であると話したエントリーを読んで考えた。

しかし、実際のところ、検索におけるわれわれの最大のライバルはAmazonだ。一般に、Amazonは検索事業とみなされていないが、何か買うものを見つけようという場合、皆さんは大抵Amazonで検索するだろう。Amazonは同じ力関係でも商業的な側面により重点を置いているのは明らかだが、根底では、ユーザーからの質問と検索に答えているのであって、われわれがやっていることとまったく同じだ。

この発言は結構おもしろくて、僕は2つの意味があると思っている。

  • 検索市場にはすでにライバルはいない。Googleは独占企業となった。
  • 次のターゲットはECと検索の混ざり合ったソリューション。この点に関してはAmazonとの方向性が一致しており、ライバルになりうる。

まず、上の話だが先日読んだゼロトゥワンに以下の記述があった。

基本的に、何かを独占した会社はその独占した事実を隠したがるという内容だ。少し長いが抜粋してみよう。

独占企業は自分を守るために嘘をつく。独占を吹聴すれば、監査や詮索や批判を招いてしまうからだ。何がなんでも独占利益を守り続けるために、どんな手を使ってでも独占を隠そうとする。その常套手段は、存在しないライバルの力を誇張することだ。  グーグルが自分たちのビジネスをどう語っているかを考えてみよう。もちろん自分から独占を認めることはない。だけど実際はどうだろう? 答えは見方によって変わる。つまり、どの分野の独占か、ということだ。仮に、グーグルは検索エンジン企業だということにしよう。二〇一四年一月時点で、グーグルは検索市場の六八パーセントを支配している(二番手、三番手のマイクロソフトとヤフーはそれぞれ一九パーセントと一〇パーセントだ)。それでもまだ独占ではないと思うなら、「グーグル」はオックスフォード英語辞典に正式な動詞として載っていることを考えてほしい。ビング(*4)がそうならないことは火を見るより明らかだ

では次に、グーグルは広告会社だと考えてみよう。すると構図が変わる。アメリカの検索広告市場の年間規模は一七〇億ドルだ。オンライン広告全体では三七〇億ドルになる。アメリカ国内の広告市場は一五〇〇億ドル。全世界の広告市場は四九五〇億ドルだ。だから、グーグルがアメリカの検索広告を完全に独占したとしても、グローバルな広告市場でのシェアは三・四パーセントとなる。この構図からは、グーグルが競争市場の小さなプレーヤーに見える。

まぁ、つまりこういうことだ。Googleはすでに何かを独占しており、それを隠すフェーズにいる。広告で隠しきれなく鳴ったら新しいライバルを作る必要がある。そのとき一番手ごろなのは、やはりAmazonだろうと思う。Google+の状況でFacebookをライバルとは言いづらいし、Appleは別に検索・広告市場を直接争っているわけでもない。むしろAndroid部門以外ではビジネスパートナーに近い関係にある。

ただし、もちろんこれだけで終わる話でもない。先日発表されていた米調査会社のガートナーの「2015年およびその先におけるIT部門とITユーザーのための予測」を読むと、たしかにこの「ECと検索の混ざり合ったソリューション」というのが次のトピックになりそう、ということがわかる。

Googleが広告市場を独占した今、さらに踏み込んでいくと「ユーザーの欲望」に対して解決策を提示することではなく、自分たちが解決する、ということにシフトしていく。このあたりをもって、Amazonをライバルと定義しているのは合点が行く。ただし、それは現時点のライバルというより、未来の市場を取り合うという意味でのライバルだ。

2020年までには、EC(モノとお金)と検索とターゲッティングと広告はより混ざり合い、密に絡んだ関係になっていく。ここに手を出さない企業はいない。Facebook/Appleの最近の動きをみてもここの取り合いが始まるのは目に見えているので、検索は終わった(独占された)、次の戦場はここだ、という空気が流れ始めているのな、と思う。