最近読んだ本の中でも群を抜いておもしろかったのが、
「重力ピエロ」 伊坂幸太郎
これはまじでおもしろかった。伊坂幸太郎の小説は押し述べて会話が知的で楽しいが、この小説で主人公とその弟が繰り広げる会話はその中でも特に楽しい。
センスといい、テンポといい、もし現実にこんな会話を繰り広げていたら、まるで小説みたいだ。
内容としては、ミステリーに属してはいるが、すでに形式的にもミステリーの域は逸脱しており、なんかもうそこらの純文学より純文学していたりする。しかし、しっかりエンターティメントだ。まぁ、さっきから本当にべたぼめだが、2004年度このミステリーがすごいでNo.1得票数の作家なのだからこのくらいほめても別におかしくはないだろう。
あと、ちょっと最近読んだ本で間違えちゃっていたのが、
「アキハバラ@DEEP」 石田衣良
これは前半は得意の石田節炸裂でキャラクターが異常に立っていてすごいおもしろかったのだが、途中から技術的な公証の面で荒が目立ちすぎて一気に興ざめした。
まず、最初にもっともげんなりした点は、天才プログラマーとして登場する男の子がマシン語を使ってプログラミングを行うところ。
大規模システムを開発するということは、メンテナンスとテストの連続である。
マシン語はまずそれが本人以外できないし、CPUに完全に依存するコードになっちゃうし、他の言語と比べてというかそれ以前にマシン語ってコンピュータに直接命令する言語だから厳密には言語でさえないのだ。これを6人のメンバーでgoogleを越える人工知能型検索エンジン(この定義もすげー曖昧、従来のベクトル学習型の検索エンジンとの差がよくわからない)とやらを作るらしいのだが、こいつら全員マシン語つかってるのか?デスマーチ覚悟?
ていうか後半の部分、なんか敵のアジトに乗り込まないで、Webベースで祭りを起こしてそこから突破口を切り開くとかすれば良かったんじゃないのか。このご時世にいきなり敵のビルにスタンガンもって乗り込むか?全員犯罪者?
うーん、もうすこしがんばれ、石田衣良。
まぁ、ほかにもいろいろ小説読んだけど、とりあえずこんな感じで。