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Googleの存在感

この記事はスルーできないので、ちょっとだけ言及。

Googleの圧倒的パワーがシリコンバレー生態系に与える影響

普通、10兆円近い時価総額の公開企業になると、独自開発で投入するのは超大型製品・サービスだけで、トライアルっぽい新しい製品やサービスの開発力は落ち、そこは高株価と有り余る資金を活用して補い、新分野が投資に足る領域に育ったところでベンチャー買収によって技術と事業を取り込んでいく。ところがGoogleは、図体が大きくなっても、新しいサービスを独自に次々と迅速に開発できる組織を持っており、市場シェアを買うというような発想は全くなく、よほど技術的にすぐれた会社でない限り買収しない。だから、この問いに対して、「全力疾走して、Googleに買収してもらいます」という最近の常識的答えが、正解にならないのである。

このあたりがGoogleの真の強さだよな。ソフトウエア・テクノロジーカンパニーとしてもっとも重要な「今後、何が出来るか」という点で圧倒的な存在感を出している。

例えばハードウエア側のテクノロジーカンパニーとして有名な、Ciscoの場合だと、Cisco発のハードウエアベンチャーがCiscoに買収してもらうということを目的に大きくなり、技術が成熟し、後は経営の問題になるという段階で出戻りの形でCiscoに買収されるという流れがあったりするが、Googleの場合、もう自社の中の優秀な人員がその辺のベンチャーの技術では達成できない規模、性能でサービス、ソフトウエアがリリースされてしまうので、買収なんてことはあまり眼中にないんだと思う。
ここ最近、MicrosoftからGoogleへの人員の流れもいろいろ問題になりつつあるし、Googleに集中する人材の流れっていうものがシリコンバレーに限らないソフトウエア業界のトレンドなのかな。

今後、日本におけるGoogleのプレゼンスも注目しなきゃいけないだろう。はてなみたいな会社が日本のGoogleを目指す人材の受け皿になってくれたらいいんだけど、あそこはまだまだ資金調達しなそうだし、人材を囲い込むなんてしないだろーな。とりあえず、日本でもっとも優秀なエンジニアを囲い込んでいる大企業とゲーム業界はエンジニアを放出しないように、何らかの対策をとる必要があるね。Googleが本格的に日本に上陸する前に。