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このような復活劇を韓国社会は許すのか

「黄禹錫教授を復活させよう!」 黄教授支持が拡大
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/11/25/20051125000005.html

ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)碩座教授(業績が認められ寄付金支援対象に指定された教授)が24日、記者会見を通じて最近論争を呼んでいる卵子の採取と関連し、自らが責任を負ってすべての公職を辞職すると明らかにすると、「黄禹錫を保護しよう」「黄禹錫を再び復活させよう」という支持のうねりが拡大している。

この問題の卵細胞採取事件というのは、Google Newsを時系列で見ていけば、どういう発展をしてきたかわかりやすい。
http://news.google.co.jp/news?hl=ja&ned=jp&q=%E9%BB%84%E7%A6%B9%E9%8C%AB&ie=UTF-8&sa=N&start=10

黄教授が自分の研究生という立場の弱い女性から、研究材料としての卵細胞を所得したことを、欧米の科学誌、大学が問題視して、共同研究の廃止などを訴え、ソウル大学、また所属する研究所が黄教授を除名処分にするかどうかを、政府の調査機関の判断を待っているというのが現在の状態。

欧米は自分の研究生という直接管理関係にある人から卵細胞を所得したこと自体を問題視していることに対し、「きちんと合法的に強要することなく卵細胞を提供してくれた」という黄教授の解答は少しずれていると思うが、韓国では、黄教授は国民的ヒーローであり、すでに、黄教授の行動を容認することが国益にかなったことだという世論がうまれつつあるようだ。

それに対し、韓国政府は国益よりも生命倫理を優先するという立場を表明しながらも、卵細胞提供にたいする法整備を急いでいるとのこと。
【黄禹錫卵子疑惑】金槿泰長官「国益より真実の解明優先」
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/11/23/20051123000030.html

うーん、どういう背後関係があったのかわからないが、韓国でこのような復活劇を望む運動が起きていることをどう解釈したらいいのか。よく見れば、失敗してもまた復活すればよいという気運と考えることもできるが、どうも超法規的措置でなんら人的損失を犯すことなく国益を保護しようという運動に見えなくもない。注意深く経過を見守るつもりです。