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ベルカ、吠えないのか?

まさしく、犬の現代史とでも言うべき異色の作品。近くの本屋の結構目立つところに置いてあったので買って読んで見ました。

20世紀という巨大なスケールの中で、多くの犬が現れ、ただただ、自分の本能に殉じ生き、そして死んでいく。おのおのの場面に登場する犬がとてもユニークで、その忠実な仕事にたまにほろリとさせてくれる。古川日出男とはこんな作品を書ける作家だったのか。見逃してたなー。とりあえず、手に入る作品は全部呼んでみる作家にランクインかな、これは。ただ、量的にはちょっと不満もあったりする。でもこのくらいにまとめてしまう方が読みやすいっていうのも真実なので、かなり満足。世界史好きには誰にでもおすすめできる。

さて、この本がなぜ「ベルカ、吠えないのか?」という題名になったのか、いろいろ考えました。気になっていろいろ読み直してみたけど、これという結論がでない。もちろん、題名としてはかなり秀逸だし、インパクトもあるが、それだけの理由ではなく、結構この言葉自身が不思議な場面でも登場するので、もういちど読み直して結論をつけようかなと思う。