そういえば、誕生日に同期に送った本を最近読んだ。
一言で言えば、おもしろかった。相変わらず日常の切り出し方が絶妙。たぶん、俺のフィーリングに吉田修一が合ってるんだろうなー。この人の本の中に登場する人物は全員曲がっていて、ただ、なんか普通の人間で、「あれ、他の人から日常を切り出されたら俺もこれくらい曲がっているのかな。」なんて考えてしまう。相変わらず、気持ちいいくらい物語は完結しておらず、まぁ、人間の物語で完結なんてないよなって思いつつ、伊坂幸太郎の鮮やかな伏線の回収、物語の収束を比べると、こんなんでもいいのかと感じてしまう。物語の構成自体がいかにも都市的な感じは「パレード」からの踏襲だが、JJに連載されていただけにいかにも女性的観点が取り込まれている。あんまり好評じゃないようだけど、俺好みの作品でした。おすすめはしません。