最近、情報の信頼性とその位置付けについて考えているので、それを以下につらつらと。
信頼を抽出することはWebにおいて重要なテーマである。それをユーザにさせるようなユーザ評価システム(Diggとか)や、PageRank、ソーシャルブックマークサービスなどは、玉石混合のインターネットの中で信頼に足る情報を抽出する方法と考えることもできる。さらに、最近は情報を消費するスピードがものすごくあがっているので、それを一瞬で行う必要がある。1ヶ月前に書かれた情報よりも1時間前に書かれた情報の方が、圧倒的に価値が高い。つまり、上手に情報を評価することが出来ても、その手法がスケーラビリティをもっていなければ、全く意味がない。その点で、多くの技術系ベンチャーが動画に興味を持っているのは当然である。多くの構造化された極めて信頼性の高い情報がありながら(例えばディスカバリー・チャンネルよりリアルな動物生態に関する情報源があるだろうか?)、それを素早く消費させるシステムが確立しておらず、1時間番組のどの部分が自分の知りたい部分の確信なのか全然分からない。とりあえず、早送りを駆使して30分ほどかけて1時間の番組を見ることになるだろう。10分で50個以上のエントリーをRSSリーダを使えばさばくことができるのに!!まぁ、そんなわけで、よく構造化された動画を検索可能な媒体に解体し、その上で再構築することはこれから3年くらいのスパンで大きなトピックになると思う。
情報の信頼性は発信源に依存すると多くの人は考えていると思う。素人と専門家の差は特に意見の網羅性において決定的だし、なにより専門家の意見は、その業界のある種のコンセンサスをはらんでいる可能性が高い。しかし、インターネットにおいて、その発信源を特定するシステムは検索以外には、時系列を体験する以外に存在しなかった。しかし、ブログの登場により、トラックバックと参照リンクを取得することが可能になり、その情報のスタートをブログという限られた領域内で決定することができる。結局、これがブログの最大の価値なのだと思う。意見の集約というよりは、発散の道具。しかし、スタート地点はその気になればいつでも探ることができるので、発散したものをもういちど集約することもたやすい。マインドマップみたいなものをみんなで生成していることになる。この場合の情報にはバランスという観点は全く必要ない。むしら、誰も考えないような発想、アイディアを出すことに価値が生まれる。そういう意味では「○○に言及している人は○○に興味を持つ」という形式とおなじ程度に、「○○に言及している人は○○をくそだとおもっている」という形式は価値を持つ。まとめると、このような形式が価値を持つための条件は、意見の発信源がわかりやすく、既に組織化された情報の中で、おなじ領域にあるものをマイナスにとらえている場合である。さて、この「○○に言及している人は○○に興味がない」という形式についてもう少し考えてみる。まず、マイナスの情報というものは、Webにおいてあまり重要視されない。罵倒芸がうまいサイトは別だが、基本的に人気のあるサイトはプラスの情報を発信している。なぜなら、マイナスのおもしろい情報を能動的に発信することは、プラスのおもしろい情報を発信するより難しいから。なので、この領域はコンピュータにやらせる価値がありそうな感じがする。