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月刊アスキー5月号特集「ジェフ・ホーキンスが脳を作る」

ひさしぶりにおもしろい特集を読んだので紹介してみる。月刊アスキー5月号特集に「ジェフ・ホーキンスが脳を作る」という記事があり、そこでPalmPilotの作者ジェフ・ホーキンス氏が現在取り組んでいる「ヌメンタ」プロジェクトについて紹介されている。

  • ジェフホーキンス Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B9

  • ヌメンタ社

http://www.numenta.com/

  • Palmの父が提唱する"考えるコンピューティング"

http://journal.mycom.co.jp/column/svalley/216/

この特集を読むに、ジェフ・ホーキンス氏の目指す脳のモデルはよく最上嗣生氏の日誌で取り上げられる脳のモデルに極めて近いモノを想定している感じがする。

  • 最上の日記の関係記事

http://homepage3.nifty.com/mogami/diary/d0609.html#07t1
http://homepage3.nifty.com/mogami/diary/d0609.html#10t1

誤解しそうなポイントだが脳自体をシミュレーションすることには物理脳神経学的意味しかない。多くの人々は脳というものを知覚するとき、それを「達成可能な能力」として知覚しており、そのモデルにとって達成可能なことが「脳に近い」ということの意味合いとイコールになる。この「脳が可能なことの達成」を、脳自体のシミュレーション」と切り分けて考える必要がある。さてさて、このヌメンタプロジェクトが直近で達成しようとしていることは「X線画像の医学的分析」、「地層、衛星データからの石油、天然ガス探査」、「Eコマース用推奨エンジン」など、人工知能的アプローチが取り組んでいることの延長線上にあるものである。多くの人が「これなら今の技術でも出来るよ」というと思うが、実際、かれらは今の技術でも達成できることにチャレンジしているのだと思う。ただ一つ違うのは、一つのアルゴリズムHTM(階層的一時記憶システム)を拡張するだけでこれらの課題を達成しようとしている点である。このHTMの思想が最上の日記で簡単に説明されたモデルにかなり似ていたのが興味深かった。といっても、両方ともアルゴリズムの詳細は知らないが、想像するに各階層ごとに脳の物理的構造から想像される意味的制約をつけ、その各レイヤーで学習を繰り返すことで全体としての機能を達成するようなものを考えている気がする。とりあえずさわりは彼の著書「考える脳 考えるコンピュータ」にあるようなので、さっそく読んでみることにする。と思ったら、ホームページにソースコードも出てるんじゃん。ソースコードも合わせて読んでみよう。

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