アマゾンという企業が気になっている。アグレッシブに規模を拡大しながら、ブランド力は高まっているし、技術企業の雰囲気はあるが、それをあまり全面に出していない。アフィリエイトを見ない日はないし、なんとなく利益も出ていそうだ。なによりネットで買い物をするにも他のサイトと明らかに安心感が違う。
そんなわけで、アマゾンについてなんとなく調べてみたので読んだ本について紹介してみる。
この本の著者の松本氏はAmazon.co.jpの立ち上げに関わった人物。と言っても、内容を読む限り、Amazon.co.jpの技術的基幹部分はあまり担当しておらず、マーケティングやエディティングの方に主に参加していたようだ。彼自身は正社員契約をしておらず、契約社員という形式での参加だったため、アマゾン正社員が守らなければ行けない、堅い守秘義務にはサインをしていないらしい。そんなわけで、普通Amazon.co.jpの中の人はアマゾン内部の事を発言することは絶対にできないのだが、この人はそれが可能になっている。後に述べる横田氏もアルバイトとしてアマゾンの配送センターに潜入し、レポートを書いたようにアマゾンでは正社員契約を結んだ場合、堅い守秘義務が課せられる。それに縛られない人だけがアマゾン関係の本を書ける。Amazon.co.jpの創業の雰囲気とカスタマーレビュー、アマゾンのマーケティング手法(特にABテスト手法)などについて読むべき点がある。
この本の著者横田氏はアマゾンの配送センターにアルバイトとして勤務した人物。そこでのアルバイト経験と、彼独自の取材によるアマゾンと関係を持った人々へのインタビューをベースにアマゾンという企業を描いている。本自体の終わり方は「下流社会」的な雰囲気をたたえており、アマゾン側のエスタブリッシュメント、日通側の中間管理職、そして配送センターで働くアルバイトという3つの対比からなる階層の違いを描いているが、本を読んだ感じでは、この対比は無理があり、アルバイトが機械的に働かされているのは日通のマネージメントによるものが大きくあまりそこにアマゾン側は関わっていないような感じがする。ただアルバイトの能率に関わる部分にはかなり関わっているような感じ。元日通関係者へのインタビューなど読むべき点は多い。また、かなりアグレッシブに現在のアマゾンの規模を推定している。
これは番外的なAmazon.comの立ち上げ時のメンバーの話。この人はエディター。この本はなんかこの人のエッセイみたいなものになってしまっており、読むべき点は少ないが、創業者であるCEOジェフ・ベゾスの人となり、創業時の雰囲気などはつかむことができる。
これらの本を読んで、感じたことを次にまとめる予定。