kawatanと「YouTube の創設者と語る, ― ジャーナリズム、デジタルメディア、映像制作」を聞いてきた。
講演者のSteve Chen氏(YouTube社の共同創立者の一人で、同社の CTO)は昨日どうやらこのパーティーに出ていたらしい。某氏のtwitterではGoogleの食堂でご飯を食べていたことも報告されている。
しかし、大学のミスコン(なのかな?)とはいいところに目をつけた。是非YouTubeにプロモーション映像、大会の映像を流して欲しい。
Steve Chen氏の講演内容
講演はなんか英語が早口で僕の能力ではきちんと聞き取れなかったのだけど、わかったところだけでも内容をまとめおく。
- YouTubeのミッションはベストなビデオサービスであることとコミュニティの民主的な作成、維持の方法を提供すること。この「democratize」という言葉の説明があったのだと思うが、聞き取れなかった。この二つが合わさることで最高の映像サービスを提供するという考え方らしい。
- さまざまなコンテンツを提供している。とくに初期の記念碑的な作品は「Emokid」、「Lonely Girl」、「Geriatric1927(参照:ピーター・オークレー - Wikipedia)」このあたりはつっちーが詳しそう。
- コンテンツの価値を著しく損なうので挿入型の広告はしない。広告ビデオは広告ビデオとして一つのコンテンツとして別個に提供する。ブランド専用のチャンネルを提供する。コンテストという形をとる。主にこの3つが今の広告の方法。
- 現在、一日1億ビュー。一日10万ビデオのアップロード。メインのアクセスはUSの外。(んー、じゃぁ、USの人は何を使ってるんだろう。単純に人口比の問題?これは法律的な問題が多いのでは。)
- 最近のビデオでは「FREEHUG」、「アイムソーリー ダルフール」が記憶に残った。これはYouTubeがCreative Making Platformになっていることを示す。
- 著作権をリスペクトすることが一番大事。良好なパートナーシップこそが成功への鍵である。
- YouTubeの未来について。3つのトレンドがある。ごめんなさい、ここは英語が聞き取れなかった。スライドの文字をそのまま書く。可能なら補足お願い > かず、かわたん
- Online video is the new way to communicate.
- Critical mass of content will continue to be built from small commnuteies online.
- Users expect to take control of how they create and consume media around the world.
- 学生からの質疑応答。YouTubeが他の競合に勝ったわけ。将来の携帯電話での利用についてなど。
Steve Chen氏と古川亨さんとの対談
このあと慶應の教授になた古川亨さんとの対談が始まった。古川さんの英語はわかるんだけど、対談が始まってますます英語が聞き取れない。2階で聞いていたから音響が悪かったのかな。とりあえず、聞き取れた内容を書いておく。
- 古川さん:「Steve Chen氏との唯一の共通点は雑誌GQの表紙をともに飾ったこと」おもしろい人だ。
- Googleに買収された変わったことは? 世界にJumpすることが可能になった。いままでピザばっかり食べてた飯が格段に美味しくなった。
- iPhoneで提供しているような特別なプラットフォームへの対応について。(YouTubeはiPhoneにH.264エンコードの映像を特別提供している)これらの機器への特別対応によるシナジーは今後も続けていく。
- Automatic Copyright Detectionはどんなことをしているのか? 過去に削除された著作権を侵害したビデオかどうかを見分ける方法は音声解析。映像解析はとても難しいが、音声解析は低負荷で同一の映像、一部改変された映像をがんがん特定できる。(これは思いつかなかった。コロンブスの卵的発想。業界ではもしかして常識の可能性もある(笑)しかし、日本語の歌がたくさん掲載されているって事は、日本語の音声解析はしていないのか?謎だ。)
- 金持ちになってしまったけど、これからの目標は? まだまだYouTubeでやり残したことがある。
- YouTubeが今後、(ビデオの数の増加に伴う)配信コストをどう処理するか? 今の画質ならとくに問題にはならない。ただし、HD動画の配信となると、ブロードキャスト、ローカルキャッシュなど全ての技術を総動員する必要ががある。
まとめ
俺が聞き取れたのはこれくらい。実際はこれの2倍くらいの質問があったのだけど、全然無理だった。個人的感想としては、非常に興味深い内容だったけど、コンテンツの未来についての言及が聞き取れなかったこともあり断片的だったことが残念。なにより英語のトレーニングをもっとしなければという意志が強まった(笑)。個人的には今後、映像のもつパワーをより政治的メッセージに利用していこうという流れがあるのかなと思う。講演でも述べているが「FREEHUG」、「アイムソーリー ダルフール」などはその代表例。まず、YouTubeありきで映像を作るという考え方は興味深い。