FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

Googleからにじみ出る未来

最近、Googleについて考えることがあったので、少々まとめてみる。

Googleの内部

NewsWeek 11月22日はGoogle関連トピックの特集だったのだが、その中の「グーグラーの世界研修旅行」という特集を読んだ時に少々引っかかったものがあった。この記事の中で、Googleの次代を担う若い幹部候補に対して行われるAPM(アソシエイト・プロダクト・マネージャー)プログラムについての説明が記載されていた。APMプログラムは経験不問でGoogleが中国、インドなど次の巨大マーケットとなる地域に若手を連れて行くのだが、その中に参加しているメンバーに関して、22歳でGmailの開発責任者となったブライアン・ラカウスキー、同じく22歳でGoogle AdWordsの分析チームを率いるフランシス・ハウゲンというような紹介があった。

ひっかかりとは、22歳で部門責任者を勤められるということである。それを可能に出来る企業システムは驚異だ。このあたりに関する考察をid:essaさんも以下のエントリーで書いている。

だが、上のことを考慮しても22歳の部門責任者は驚異だ。

自分のいる企業は他の大企業のご多分に漏れず、だいたい30代、40代の人が責任者を務めている。責任者の仕事は部下のマネージメントで、その仕事の大半は適切な仕事を適切な部下に振り、その進捗を管理しながら将来の計画を立てることにある。(一人でカーネルやグラフィックライブラリを全部設計、実装しているすごい課長も結構いるけど)そのためには社内での調整能力が重要で、その調整能力というものは少なからず会社のシステムに関係があるため少なくとも何年かは会社にいないとこのあたりの機微を理解するのは難しい。

しかし、22歳ということは会社1年目の新卒ということになる。いくら情報がオープンで、いくら組織がフラットでも新卒1年目が部門責任者になることが出来るというのはどういうことなのか。この辺りは俺の想像の範囲を超えてしまっている。

Googleからにじみ出る未来

そんで、久しぶりにGoogleの話題のエントリを書くのも、以下のエントリがあまりにも刺激的だったから。

リアル社会の強者がネット社会でも強者であり続けようとしたら、誘導の無い純粋な価値によってユーザの評価を得るか、グーグルにお金を払い続けるしかない。ユーザの自発的な評価を得られないリアル社会の強者は、そうやって、グーグルにお金を吸い取られて消滅していくことになる。

このプロセスを進めていくことがグーグルにとっての「善」なのではないだろうか。

つまり、AdWordsの焦点は、お金を受け取るグーグルではなく、それを払う側にあるのだ。高い言葉を買う企業は、リアルの勝ち組でネットの負け組である。「そんな会社は消えてしまえ」とグーグル、いや、Gマシーンは言っているのだ。

AdWordsは、Gマシーンの意図を汲んだグーグルが、そういう会社の没落を早める為に用意した仕組みである。

うーん、id:essaさんはすごい。なんとなく心に引っかかっていた部分を言葉にしてくれる力がずば抜けている。現状の分析とそれが如何に未来につながっていくかを言葉にしてくれる人は少ない。

現在、ネットに広がるあちら側では、人間の関心は動いているが、あまりそこにお金は絡んでいない。id:umedamochioの「ウェブ時代をゆく」を読んでも、そこに如何に生きるかは書いていても、未来がどのようになっていくかの肝心な部分が記載されていなかったように感じた(行間にはそれらしいことは書いていたかも)。

自分の中では、リアルマネーとネット内での関心が絡み合いどのような未来が形成されるかというのが一番の関心事なのだが、上のエントリを読んで、なるほど、そのような方向に進むのということか合点がいった。
言葉にしてみれば単純なのだが、気づくのは難しい。つまり、現在の20代、30代の層が40代、50代となり実際に多くのお金を持つようになってくると、現在、携帯、PCを通してネット内で交換している関心が世の中の関心の主流となる。そのときに、関心に介入できるGoogleが描き出す世界というのはネット内で関心を想像できない企業はそのために多額のお金を払うことになり、競争力を弱めるということか。将来、企業にとって如何にネットでのユーザとの接点を維持、構築していくかが如何に重要か。この辺りははてなにとっても興味深いところなのかなと以下のエントリを見て思った。

うーん、おもしろい。こっちの方向でもう少しいろいろ考えてみようと思う。