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Newsweekの「キンドルは読書の未来を作れるか」を読んだ

今週のNewsweekはトップの題目が「アメリカ大統領選」だったので、あまり他の記事には期待してなかったのですが、なにげに「読書の未来はアマゾンが変える」という記事がよかった。以前のNewsweekのGoogleの記事もそうだが、他のPCの雑誌よりも、Newsweekのような一般紙の方が何気にGoogleやAmazonの実態を的確に捉える記事が掲載されている。過去のNewsweekのGoogleの記事に対するエントリーはこれ。

この記事で特にアマゾンのジェフ・ペゾスCEOのキンドルに対する見解が面白い。決して見た目はクールとはいえないガジェットをつかまえて「これは創業以来、最も重要な事業だ」と言うペゾスが見ているキンドルのサービスの未来は以下のようなもののようだ。

  • 全ての書籍をキンドルを通して、現状の価格よりも格安で買えるようにする。
  • 本を絶版にしない。出版までの時間を極限まで短くする。
  • 購入した全ての書籍がデータベースに格納され、全てを検索可能にする。
  • 他人と本のリストを共有できる。

上のリストを眺めてすぐに「あぁ、Amazonが書籍のiTunesを構築しようとしているのか。」と思う。

しかし、iTunesと同じように書籍のデータが蓄積していくとはなんと素晴らしいサービスだろうか。音楽よりもずっと僕の人生に影響を与えてくれそうな事業だ。Googleが取り組む著作権の切れたすべての書籍をデータ化する事業と提携し、キンドルはいつか完璧な電子ライブラリをPC上に構築してくれるだろう。そこでは、自分が過去に読んだ本がすべてデジタルデータとして保存されており、一瞬で全てのデータを検索できる。本同士でタグによる相関性が自動的に設定され、そのデータを用いて数々のプラグインがさまざまなデータ処理を行う。

なんて妄想が出てしまうくらい魅力的なサービスだ。記事内でこの取り組みをBook 2.0と読んでいるが、そんなバズ・ワードに頼らなくても粛々とサービスを拡充、展開していってもらいたいものだ。おそらくこの事業を行えるのはAmazonだけなので、こけることなく収益性の高いサービスの王道を突き進んでほしいと思う。

[補足]過去に僕が書いたアマゾンに関するエントリー。