キンドルのエントリーを書いた直後からずっと考えていたのですが、「本を買うということがその中身を検索出来る権利を買うことと等価になること」という未来は最初に想像していたより、ずっとずっと魅力的なのではないか、と考えました。
上のエントリーでも取り上げたNewsweekの「キンドルは読書の未来を作れるか」によるとキンドルの仕様はコピー不可、全文検索可能ということでしたが、このコピー不可、全文検索可能という権利は自分が本を買うときにお金を積極的に出すことが可能になる権利だと感じました。もちろん、上のエントリで述べた以下のリストからその未来は簡単に読み取れる訳ですが、実際に言葉にしてみると実感が沸いてきます。あと、本棚という居住スペースを大きく奪うものからの解放も大きなメリットですよね。
- 全ての書籍をキンドルを通して、現状の価格よりも格安で買えるようにする。
- 本を絶版にしない。出版までの時間を極限まで短くする。
- 購入した全ての書籍がデータベースに格納され、全てを検索可能にする。
- 他人と本のリストを共有できる。
Tech Crunchの以下の提言の通り、「Kindleをオープンにせよ。」という主張はユーザにとってはとても魅力的ですが、安全なプラットフォームという観点から考えると、iPodのように本体の提供を自社に限定するという方針も理解できます。おそらく音楽以上に書籍のテキストデータは厳重に扱いたいところでしょう。
アマゾン―Kindleをオープンにせよ。
御社のブックリーダーKindleは電子書籍受け入れ気運をメインストリームで確保できた。その点では大きな一歩前進だ。が、Kindleで素晴らしいのはサービスであって端末ではない。つまり9万もの書籍タイトル(その数は現在も増えている)がeブック形式になって、シームレスなワイヤレス環境でDLして読めるということであり、バックエンドの決済プロセスが既存のアマゾン利用アカウントにリンクしていること。このサービスがあるからこそKindleは何個も複製する価値があるのだ。レファレンスデザインは下請けに出せ 。そして他社にもっとスリークな電子リーダーを作らせて、それをAmazonストアに繋げ。この端末はデザインそのもの野暮ったい。餅は餅屋だ。自分の知ってることは譲らずしがみついていいが、ハード製造は他社に任せろ。
実はSONYもかなり本腰をいれて電子リーダを開発していたりします。下のPC Watchの分解記事とかなかなかおもしろいです。
一緒にキンドルの分解記事も紹介しておきます。
触ったことがないので使い勝手は不明ですが、配線はSONYの方がきれいです(笑) SONY READERのチップが若干多い気もしますが、このあたりはCLIEチームの面目躍如というところでしょうか。