FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

次世代AVアンプがこんなにたくさん出現した理由

AV Watchで次世代AVアンプの特集が組まれました。

僕もそろそろPS3の機能をフルに活かせる次世代AVアンプが欲しいなと思っているのですが、この次世代AVアンプって昨今の家電の中でももっとも一般ユーザから離れてしまったもの一つですよね。

最近、家電はシンプルになるべきという話をいろいろなエントリーでみかけます。

たぶん、次世代AVアンプの裏がどうなっているかをきちんと見たことがある人はほとんどいないんじゃないかと思うのですが、これでもかというくらい端子が配置されています。上の特集の中では一番安いTX-SA605でもこんな感じです。

http://www.jp.onkyo.com/rear/tx-sa605n_rear.jpg

映像端子だけでもHDMI、D端子、コンポーネント端子、S端子、コンポジット端子を備えています。音声端子に至っては7.1chをサポートする関係上、20個以上の端子があります。これって普通の人には配線することも不可能ですよね。この辺りのことを考慮して最近、アンプ内蔵の疑似サラウンドスピーカーを各社がいろいろ作ってます。

で、次世代AVアンプがどうしてこんなにいろいろ作られたかというと、これはPS3の影響が大きいんです。というのも、PS3が誕生するまでは7.1chの音声データをロスレスで送るプレイヤーは100万円以上しました。そもそも、7.1chのリニアPCMをHDMIから出力したのは民生品ではPS3が最初です。そんなわけで、実はそれまで各社が出していた7.1ch対応AVアンプというものは、機器によっては規格が微妙に違っていて実際につなげてみると5.1chまでしか音が出なかったりしました。しかし、PS3という世界で1000万台以上売れている4万円を切る価格の機器がこのフォーマットに対応したことで、各社の基準がまずPS3をつなげて音がきちんと出ることに統一されてしまった。それまで、規格としては決まっていても詳細を詰め切れていなかった部分がPS3の登場のおかげで各社にとりあえずこれにだけは絶対に対応しておけという基準を示すことになったのです。

そんなわけで、PS3が発売されてからしばらくして、各社が一斉に7.1chのリニアPCMに対応した次世代AVアンプをリリースすることになりました。PS3のおかげである程度の販売台数も期待できるので、ONKYOのTX-SA605なんかは6万円くらいで入手可能です。これも一昔前までは考えられませんでした。

本当にこの分野にPS3が与えた影響というのは大きいと思います。普通の人には全く関係ない分野ではありますが(笑)