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評価が難しい「世界と日本のまちがい」松岡正剛

松岡正剛ファンとしては評価の難しい一冊な気がする。

おもしろい、おもしろくないで言えば明らかにおもしろい。ただ、松岡正剛が「世界史的、日本史的観点から国家というものを横断的に解説する」っていうテーマならもっともっとおもしろいものを書けたような気がする。それが残念。基本的な内容としては、宗教国家、ネーションステートなどの国家の成り立ちと根拠を民族、宗教、文化などの複数の観点から解説したもの。おもしろいテーマが複数提示されるのだが、4日間の講義をまとめた形式で収まりが悪い部分が多々見受けられる。特にこの書物では、後半にあるドイツ哲学の紹介が不要な感じ。ただ、感想は人それぞれになるかと思う。

基本的な構成は日本の安土桃山時代から20世紀にかけての文化や価値観、他国との交わりをいろいろな国の視点から紹介している。イギリスが世界に以下に良い影響、悪い影響を与えてきたかがおもしろい。哲学の各種テーマを松岡正剛がどのように捉えているかをみるのは楽しい。表面的になぞるだけだが、それでも知的興奮がある。世界史、日本史の解説本としては間違いなくおすすめできるが、読んだ後必ず欲求不満になる気がする。そんな人は松岡正剛の他の本も読みましょう。