ニコニコ動画が著作権侵害のテレビ番組動画をすべて削除するという申し入れを民放6社に送りました。
これで、初めてニコニコ動画はコンテンツプロバイダのスタートラインに立ちました。著作権侵害を徹底的に取り締まっていないは事業者に対してコンテンツプロバイダが積極的に動画を配信することは不可能ですから。楽曲についてもニワンゴ代表取締役社長の杉本誠司氏によれば「合意に向けて前向きな話し合いを進めている」とのことなので、ヤマハのMUSIC eCLUBのように取り締まりを強化しつつ、著作権をすべて配信側で請け負って一括処理する方向に持って行くつもりかもしれません。
1. 既存の著作権曲も利用できる日本初の無料サービス
ポピュラーの名曲や最新のJ−POPなど、通常著作権料が必要な楽曲(MIDIデータ)も、無料で利用できます。なお、パソコンとインターネットを利用したグリーティングサービスで、著作権曲を自由に選んで使用できるのは、『ミュージックイークラブ グリーティング』が日本で初めてです。
YouTubeもそうでしたが、動画サイトには最初は著作権侵害コンテンツを厳しく取り締まらずアクセスを集め、だんだんそのサービス内のコミュニティが生成するコンテンツが充実しアクセスが増えたところで、正式に提携するという一連の流れがあります。なかなかアクセスが集まらない状態でサービス内部のコミュニティを育てるというのは難しいので。そう考えるとコミュニティ形成を考える上でモバゲーの流れは見事でした。
なんで、モバゲーの話をここでしたかというと、最近「モバゲータウンがすごい理由」を読んだからなのですがモバゲー見事です。
簡単にまとめるとモバゲーは以下のよう形でコミュニティを広げました。
- 無料ゲームで会員を集めつつ、ゲームを軸としてゆるいコミュニケーションを広げる。
- 段階的にSNS、アバター機能を強化し、ユーザがコミュニケーションのみで、ゲームなしでも楽しめるようにする。
- ゲームをしないユーザでも楽しめるようなコンテンツを順次追加していき、コミュニティの密度を高める。
- ゲーム、SNS、アバターに密接に絡み合うような形で広告モデルをかぶせる。
上でも見るとはっきりわかりますが、モバゲーはほとんどゲームを介したコミュニケーションの場になっており、このコミュニケーションの場に広告モデルをかぶせることで収益をあげることが出来るサービスとなりました。
上の流れに併せて考えるとニコニコ動画は以下のような形になるでしょうか。
- 著作権侵害コンテンツを許容し2chの受け皿となるようなサービスをつくりコミュニティを作る。
- 会員数が増え、独自コンテンツが生まれつつある段階で明らかな著作権侵害コンテンツを追い出す。
- 会員数の上限がある程度見えてきたタイミングで著作権侵害コンテンツを排除しコンテンツプロバイダとの接点を作る。
- その後、サービスに密接に関わる形でコンテンツプロバイダから正式に提供されるコンテンツの総量を増やしていく。
たぶん、こんな形になるんじゃないかと。きっと、すぐにアニメとかゲームとかニコニコ動画と親和性の高いコンテンツとの提携話が出てくるのではないかと考えています。