FutureInsight.info

AI、ビッグデータ、ライフサイエンス、テクノロジービッグプレイヤーの動向、これからの働き方などの「未来」に注目して考察するブログです。

ネットサービスの目指す道

はてなのCEOであるid:jkondoが現在のネットサービスが先進ユーザのたこつぼになっていることついて書いていました。

例えば久しぶりに友人に会えば、日常的にはてなを使っている人はほとんど居ない、という現実を目の当たりにする事になる。毎日これだけ全力で良いサービスと作ろうと努力しているのにまだ届かないのかと、惨めで悔しい想いをする事になるが、その悔しさを乗り越えない限り未来は無いと思う。

限られた時間の中で、勉強し、人と接し、そして自分で手を動かしてものづくりをするのは大変な事だが、中途半端にやって中途半端な結果に終わるくらいならちゃんとやった方が良い。ちゃんと生きて、ちゃんとものづくりをする、そういう風にやっていきたいものだ。

僕もtumblr.やtwitterのような、一般的な感覚では何がおもしろいのかよくわからないようなサービスを利用していますが、正直この二つがなくなってもたいして困りません。この2つがなくても別に生きていけますし、どうしても必要ならtumblr.程度のサービスなら自分で作ることも可能ですから。

Google AdSenseというサービス

僕が今まで使ってみて、これは生活が変わる可能性があるなと感じたサービスはGoogle AdSenseです。

Google AdSenseとは僕のblogの各エントリーの一番下についているGoogleがやっているサイト内広告です。サイトの制作者はこのGoogleが提供している広告を自分のサイトに貼り、サイトの訪問者がそれをクリックするとサイト制作者に少額のお金が振り込まれる仕組みとなっています。

他のサービスはともかくGoogle AdSenseだけは生活自体を根本的に変える可能性を感じました。いや、もちろんこのblog程度のアクセス数だとお小遣い程度のお金しかもらえない訳ですが、それでも実際に自分の書いたものを通してお金が入ってくる過程を体験するとネットへの考え方が変わります。

ネットというと、一般的にインターネットを利用している人の感覚では、普通なら雑誌などでお金を払わないと取得出来ない情報がなぜか無料で取得できる便利なものという感覚だと思います。Wikipediaなんて、こんな便利なものが世の中に無料で、だれにも報酬が支払われずに存在している理由が普通の人の感覚では理解できないはずです。正直、僕もLinuxとWikipediaは存在自体が奇跡的だなと思っています。この、無料で情報を取得できるという感覚がくせ者で、この状態でいるとなんとなくネットは無料であることが普通でお金を儲けることが難しいんだなという気持ちになってきます。

しかし、Google AdSenseは違います。そこには確かにお金が存在します。すばらしいコンテンツには価値があるんだということを証明してくれます。

インターネットが負ける方に賭けるな

GoogleのCEOであるエリックシュミットは言いました。

「インターネットが負ける方に賭けるな。」
「ネットが負けるほうに賭けるのは愚かだ。なぜならそれは、人間の創意工夫と創造性の敗北に賭けることだからだ。」

こちらの記事の全訳もあります -> クラウド・コンピューティング グーグル社長のエッセイ(全文試訳) - Mare Azzurro の日記

僕もこの考えに大いに賛成します。今後もネットに流通するコンテンツは増え続けるでしょう。人間にとって創造という行為は生きることに直結する重要なものですので。

こう考えると、ネットサービスの目指す道は3つだと思います。

  • ネットに流通するコンテンツを増やすこと。才能のある、もしくは才能がなくてもやる気のあるクリエイター、ライター、一般人がなんらかのコンテンツを発表する場を設け、それを技術的にサポートすること。
  • ネットに存在するコンテンツへのアクセスする経路を増やすこと。コンテンツへのアクセスを容易にし、ネット全体に流れる意識のフローをさらに活発にすること。
  • ネットに存在するコンテンツをお金にしてあげて、それをクリエイター、ライター、一般人に還元すること。そこから正のフィードバックを発生させ、さらにコンテンツ量が増えるスパイラルを回すこと。

この3つ以外のことに直結しないサービスは人間の生活に直接の影響を与えることはないはずです。もし、本当にはてなが1000万人レベルで人々の生活を変えたいと真剣に願うなら、真っ正面からこの3つに取り組む必要があるんじゃないかと思います。

もちろん、居心地のいいたこつぼをきちんと維持するということもとても大事なことだと思います。ただ、はてなはでっかいことをやってくれそうな会社だと思っているので、なぜか期待してこんなことを書いてしまうわけです。