なにげにこれはGPUの有用な使い方なんじゃないかと思う。
最初に1,280×720ドット/2時間のMPEG-2映像からH.264形式へのエンコード速度の比較グラフを紹介。CPUのみを利用する環境では、Core 2 Quad Extreme 3.0GHz搭載PC上のiTunesでH.264エンコードを実施、CPUにCore 2 Duo 1.66GHz、ビデオカードにGeForce 8800GTS 512MBを搭載したPC上で、開発中のRapiHDを実行した。
CPUのみの環境ではエンコード処理に4時間53分かかったが、GeForce 8800GTS搭載PCでは23分で完了と、約18倍の高速化を実現したと説明した。
要はエンコード部分をCUDAと呼ばれるGPUにグラフィック以外の計算を行わせるフレームワークを使ってGPUに持って行っているらしい。最新のGPUは上に記載している通り128コアの計算ユニット(ユニファイドシェーダー)が存在するので、エンコードのような過去の計算結果にほとんど依存しない、どこから計算を初めても問題がないタスクに関しては完全に並列で各コアに作業を行わせることができるため、上のニュースの通り、エンコード時間がおよそ10分の1にまで短縮できているわけだ。
GPUメーカーの事情と今後の動向
現在の最新GPUはかなり計算資源を持てあましている。そもそもGPUは最新のPCゲームを遊ぶために存在していたようなものだったが、それさえもXBOX360というPCゲーマーもうならせるFPS環境が出てきたため、存在意義を失ってきた。
そんなわけで、ATIはAMDと一緒にGPUとCPUを統合したチップを作成する道を選び、nVidiaはAMDが作成するCPUのチップセットを作り、モバイル用のGPUの開発を進めつつ、最新のGPUの使い道をCUDA環境のようなGPUで3Dグラフィック計算を行わせる以外の使い道を模索している。その中の技術の一つとして出てきたのが、今回のGPUを用いた高速エンコーダなわけだ。おそらく今後の展開としては、エンコーダ技術から派生して、HD動画の編集環境のソリューションとしていろいろな場面でGPUを活用するという方向に進むのではないかとおもう。開発した会社のHPにもAdobe Premireのアクセレータとしてこの機能を提供しているようだ。
GPUの未来はちょっと仕事にも関係ありそうなので、注意深く見守っていきたい。