以前書いたSSDに関するエントリーが割と好評だったが、Thinkpad X300がSSDの搭載でその性能が3倍になった部分に多くの疑問が寄せられていた。
情報源がThinkpad X300のブロガー発表会だったので、いまいち信頼性のあるソースがなかったのだが、本日、インプレスに非常に興味深い記事が掲載された。
上記の記事の中で、Let'snote R7のSSDモデルとモデルは異なるながらもHDDモデルとの性能比に関する情報があったのだ。以下がその表である。(速度の単位はMB/s)
Let'snote R7 | Let'snote T4 | 自作デスクトップ | |
---|---|---|---|
ディスク | SSD | 2.5インチHDD | 3.5インチHDD |
read シーケンシャル | 96.93 | 43.31 | 80.08 |
read 512KB ランダム | 94.92 | 22.17 | 43.09 |
read 4KB ランダム | 15.94 | 0.394 | 0.737 |
write シーケンシャル | 77.98 | 34.67 | 80.95 |
write 512KB ランダム | 49.05 | 18.88 | 70.69 |
write 4KB ランダム | 5.127 | 0.882 | 2.264 |
ベストの比較対象はLet'snote R7のSSDモデルとHDDモデルなのだが、筆者の手元にないということでそのデータは掲載されていなかった。しかし、3.5インチHDDのデータがある分、非常に味わい深いデータになっている。
まず、SSDの性能特性どおり、512KBのランダムreadが早い。シーケンシャルなreadアクセスとほぼ同じ速度が512KBのランダムアクセスで達成出来ているのが、512KBのブロックサイズを持つSSDの特徴である。SSDにとっては理論的には、シーケンシャルアクセスと512KBのランダムアクセスの差はフラッシュメモリの読む込む場所が変わるだけで、特にオーバーヘッドが発生する要因にならない。HDDのランダムアクセスはヘッダの移動時間がかかるため、ブロックの時間を予測できず、特にゲームプログラミングでは避けられる傾向があるが、そのようなことを考慮しなくていい分プログラミングモデルにも影響を与える特性である。
また、CPUのスペック的にほとんど違いがないSSDと3.5インチHDDを比較し、write ランダム 512KB以外の全ての項目で同等、もしくはそれ以上のスコアをSSDがたたき出しているのも頼もしい。すでに、SSDの性能は3.5インチHDDを超えているということか。write ランダム 512KBで速度が半分程度に低下しているのを見ると、Let'snote R7のSSDモデルに搭載されているSSDのブロックサイズは1MBなのかもしれない。また、3.5インチHDDにおいて、write シーケンシャルとwrite ランダム 512KBの速度差がほとんど存在しないのは、3.5インチ HDDに搭載された16MBキャッシュのおかげであると思われる。
32GBのSSDでこのスペックということは、今後登場してくるだろうNANDフラッシュメモリの並列化がすすんだ128GBタイプのSSDはさらに性能が上がってくる可能性が高い。今後の展開に期待を持たせるおもしろい記事でした。