今週のニューズウィーク5月21日号に「ウェブ3.0三国志 買収決裂の巻」という記事があった。書いた人がテクノロジー担当ではなく、ビジネス担当だったので技術的に?がついた部分もあったが、記事の前半で、
それはウェブ3.0、または「クラウド・コンピューティング」と呼ばれる。
という記載がいきなりあったことに驚いた。以前、クラウド・コンピューティングについて以下のエントリーを書いた。
その後、どのような流れが生まれてきているのかを確認しようと思って記事を眺めたがビジネス的にクラウド・コンピューティングの方向性について特に新しい記載は上の記事にはなかった。
個人的に、クラウド・コンピューティングにつながる大きな流れはAtomプロセッサ、Eee PCを中心に起こっているデバイス系の進化かなと思っている。
NECが開発したLuiは家庭内ホームサーバにアクセスするための端末だが、Eee PCはブラウザが標準以上に動作することを前提としたデバイスだ。Atomプロセッサはイン・オーダー実行ながらHyper-Threadingと極めて深いパイプライン段数(スーパーパイプライン)を持ち、高い動作クロックを誇るとてもおもしろいプロセッサだが、その設計理念に低電力でもマルチスレッド機能を損なわず動作クロックを高く保つ姿勢が見て取れる。考えてみると現在のブラウザはマルチスレッド機能と動作クロックが高いことが快適なブラウジングを行う最低条件でもあるし、Atomプロセッサを利用して作成されるEee PCライクな8万円以下のミニノートPCの普及はクラウド・コンピューティングの流れを変えるのかなと思った。