今週のNewsweek 2008/5/28号は中国の特集といいオバマの現状といい読むべき記事の多い号だった。その中でも特に「世界を動かす"スーパークラス"」という特集が気になった。
スーパークラスとはその時、その時で世界にもっとも影響力を持つ人々の集団なので刻一刻と変わるものなのだが、記事では例えば以前のサブプライム問題が発生したときにニューヨーク連邦準備銀行総裁のティモシー・ガイトナーが収集した世界の主要14金融機関のトップを上げている。この会議の中から米投資銀行ベア・スターンズの救済が決まり、14人の意志決定だけで金融危機の収集のシナリオが建てられた。
ますます、世界では上位層に富が集中しつつある。日本ではそこまで富の集中は深刻な社会問題となっていないが、アメリカなどでは富をどのように再分配するかが大統領選の大きな争点となっている。特にグローバリゼーションと一緒の文脈で語られることが多いようだ。
その富の集中を一手に引き受けるのがスーパークラスという訳だがこの記事の最後で、今年初めの金融危機を受けて、スーパークラスは愛国心とか豊かな社会を作ることに無関心になりつつあるので、未来を決定するスーパークラスの動きに歯止めをかけられるような権限を持つ国際機関の設立を急ぐべきだ、という結論で終わっている。たしかに投資銀行が現在進行させている人間の全ての活動を証券化するという行為はある程度は規制されてしかるべきものなのだが、すでに国際化が進みすぎて国内の法律だけでは活動を規制することが難しいなかで、個人の活動を制限してもあまり効果はなさそうな気もする。
ともあれ、日本の場合、巧妙に隠されてあまり感じない部分だけに面白い記事でした。