P.F.ドラッカーの最後の著作「ネクスト・ソサエティ」を読み終わった。
ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる | |
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ドラッカーが晩年考えていたことがきれいにまとまっていて、誰にでもお勧めできそうなおもしろい本だった。本の中でたびたび日本が取り上げられている。例えば、ドラッガーの日本の評価は以下のようなものになるだろう。
- 高齢化問題に最も早く直面している。
- 企業統治がしっかり行われておらず、製造業から知識集約型の業態へのシフトも進んでいない。
- 非効率な生産体制で自動車産業と電子機器事業以外はほとんど世界的な競争力を備えていない。
- 官僚が無能でバブルとバブル以降の経済政策で大きな間違いを何度も起こしてきた。
- 上のような最悪の条件をふまえてなお、日本を侮ることは出来ない。国民の中である一定のコンセンサスが生まれると日本は一夜にして方針を180度変えることが出来るという信じられない能力を持っている。
なるほどとうならされる。やはり外部の専門家の方がより問題点が鮮明に見えるということか。他にもドラッカーの視点からネクスト・ソサエティの論点をたくさん語っている。文章も簡単で読みやすいし、だれにでもお勧めできる本だと思う。