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ミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクターは日本のグラビアアイドルをどのように見ているか

ミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクターを務めているイネス・リグロンの「世界一の美女の創りかた」を読んだ。内容自体は30分程度で読めるものだったが、ブックオフで買ったこともあり、それほど損をした感じはしない。むしろ、ミス・ユニバースという世界最高の美女を決定する現場で磨かれた価値観を体感できなかなかおもしろかった。

世界一の美女の創りかた
世界一の美女の創りかたイネス・リグロン

おすすめ平均
stars読み易く 分かりやすく まとまっています。 
starsタイトルはすごいが中身はスカスカ
stars美しさとは何か
stars「かっこいい女性になりたい」方への簡潔バイブルとして
stars大賛成!!!

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まぁ、アマゾンの評価にもあるとおり、中身はかなり薄い、悪く言えばスカスカです。ただ、おもしろい点がいくつかあります。

本書ではイネス・リグロンがワールドクラスの女性へと変わるための72の心構え(本書風に言うと魔法の言葉)を解説しています。

日本のグラビアアイドルへの評価

  • 49 「セクシー」の種類を理解すること。

比較的ポピュラーな男性誌の表紙を、不自然にバストを寄せたビキニの若い女性タレントや、スクール水着の12歳くらいの子供が飾っている。それを若い男性からオジさんまで、電車の中で公然と嬉しそうに眺めている…。日本の性は完全に、歪んだ形で男性にコントロールされているわね。そんな「水着フェチ」たちのニーズに応えるのではない、別の形のセクシーもあるということを日本の女性たちは知るべきよ。

いや、すばらしいですね。日本のグラビアの問題点、つまり大人が鑑賞に堪えうるものがないということを的確につかんでいます。さすが、ミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクターです。先週買っていたSPA!でリリー・フランキーもほぼ同じことを述べていました。下のコメントはグラビアン魂という日本で最高のグラビア特集でディレクターを務めたリリーフランキーがその3年間を振り返って、11点のグラビア写真を選んだ後、巻末で述べた言葉です。

  • 大人のグラビアの確立

これまで3年近く「グラビアン魂」をやって、ようやく大人の鑑賞に堪えうるグラビアを確立できたと思う。それまでグラビアっていうと、マンガ誌が中心だったけど、あれは少年向きで、大人がみてもきっとソソらないと思うんですよ。青空の下、笑顔でジャンプされても…っていうのは、凄くあるから。俺とみうらさんとで、133人もの女のコについて語り尽くしてきたのも、既存のグラビアを変えたいっていうのが大きかったからね。3年経ってやっと、って感じ。
だから、今回のセレクトも大人の雑誌のグラビア的な意味で選んだ。でも、みうらさんは、妄想ができるシチュエーションで選ぶけど、オレの場合は、全体的な構図から女のコの表情や体のしなりを第一に選んでる。女性、女性の美しさ、エロさ、かわいさがテーマですかね。

しかし、上のリリー・フランキーの言葉を見るとわかるとおり、イネス・リグロンはいくつか大きな勘違いをしています。まず、青空の下で女子高生がビキニ着てジャンプするようなグラビアを、日本の20歳以上の男性が望んでいるわけではなく、単純に漫画雑誌は男子中高生がメインの購買層なので、そこをメインターゲットにしてグラビアも特集は組まれている点です。最近は、グラビアン魂、月刊シリーズなど、大人をターゲットにしたグラビアも出てきていますが目につきやすいのはやはり表紙にグラビアアイドルが掲載されるマンガ雑誌ですから、イネスの懸念ももっともです。そもそも今週のSPA!のグラビアン魂は中学生Tバックグラビアアイドルとしてキャリアをスタートさせた仲村みうなのであまり説得力もないというか…。

日本女性の胸の谷間に関して

さらに、イネスの以下の言説などもなかなか面白いです。

  • 26 胸の谷間は3センチ。

駅やコンビニで売られている雑誌の表紙を水着の女の子たちが飾っているけれど、どうしてあんなに胸の谷間を寄せているのかしら。男性読者は喜ぶのかもしれないけれど、明らかに不自然だわ。そのエロティックは、広い世界と比べれば、ほんの少人数のニーズを満たす「国内向け」のものに過ぎないということを覚えておきましょうね。

さすが、ミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクターは言うことが違いますね。これに関しては、最近のグラビアではかなり解消されていると思うのですが、それでもたまにトチ狂ったカメラマンが絶望的な水着のセレクトをしていることがあるので、なんとも言えません。アメリカのように明らかに人工物のグラビアよりは良いかと思います。しかし、視点がおもしろいですね。「そのエロティックは、広い世界と比べれば、ほんの少人数のニーズを満たす「国内向け」のもの」という言葉はなかなかの迫力です。

まとめ

いや、まとめというまとめはないのですが、ワールドクラスの女性をプロデュースする人が日本のグラビアをどんな目で見ているかわかって面白かったです。