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切込隊長の「情報革命バブルの崩壊」が面白かった

切込隊長こと山本一郎氏の「情報革命バブルの崩壊」が面白かったので紹介しておきたいと思います。

情報革命バブルの崩壊 (文春新書)
情報革命バブルの崩壊 (文春新書)山本 一郎

おすすめ平均
stars「新聞のあり方」が漠然としていて・・・
stars財務的視点の記述のところが面白い
starsいまさら、インフラ企業や新聞社を儲けさせろと言われても、時代錯誤もいいとこ♪
starsよくまとまっている
stars論理が明確で、筋は取っている真っ当な正論です。面白かったです。

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内容は端的に言えば、切込隊長BLOGでいつも散発的に書いている「IT産業の投資効率どうすんの?」とか「ソフトバンクやばいよね」というトピックに対して丁寧な説明が行われているというような内容です。トピックとしてはこの辺りでしょうか。結構、ネットサービスやIT産業に関しての投資効率に関してこうやってまとめて書いてある本もないので、なかなか良いと思います。内容的にはサイゾーの特集をイメージしていただければわかりやすいと思います。

さて、この本のメイントピックの一つに新聞業界の赤字に対する言及があるのですが、関連して今週のNewsWeekの「最後に笑ったルパート・マードック メディア王の軍門に下ったウォールストリート・ジャーナル再生への道」という記事がなかなか面白かったです。こちらの内容はほとんど経営破綻寸前だったウォールストリート・ジャーナルがメディア王マードックの号令の元、金を稼げるメディアに変化する過程を特集しているのですが、方向性としては今まで経済記事、堅いコラムがメインコンテンツだったウォールストリート・ジャーナルがウェブコンテンツの有料化と誌面の多様化により成長をはかっているという内容が書かれています。

日本の新聞がWebコンテンツを安易に有料化しても、例えばお金を払ってまで社説を閲覧したいという人がいるかと言われると、ほとんどいないと思いますが、逆に有料化に打って出られない程度のコンテンツしか提供してないことがそもそも一番大きな問題なのだと思います。良くマスコミは事実だけを淡々と伝えていれば良いんだということを言う人がいますが、そんな態度を取っていたらコンテンツを金にすることが不可能なのはすでに実証されているわけで、優秀なコラムニストを抱えて、いろいろな意見を発信していき、賛同者を増やしてコンテンツを有料化できるようにするほうが生き残れるのではないかと漠然と感じました。