おもしろいツンデレの話を後輩(女)から聴いたので、ちょっと便乗してツンデレの話題をしてみます。
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ホンモノのツンデレには行きにくい時代になったそうです
聞いた話の要旨は、現代は非常にツンデレにとって生きにくい時代になったということでした。というのも、ツンデレというのは男に媚びることを潔しとしない気高いスプリットの持ち主なので、ツンデレという言葉が産まれる以前は「別にあんたのためにやったんじゃないから」もその気高いスピリットが産み出す当然の言葉だったのだそうです。
ところがツンデレという言葉が産み出されてしまったため、そのような単語を利用すると、男の方に「あ、これツンデレだ」と思われてしまい、さらに日本人にはそのようなツンデレを好ましく思う人が一定数いることがわかってしまったため、ツンデレ的言動が男に媚びることになりかねず、ツンデレの常套句である「別にあんたのためにやったんじゃないから」は、いまや気高いスピリットを持つツンデレには使うことの許されない言葉と成り下がり、現在においてツンデレはツンデレであることを全面に押し出すことができない隠れキリシタンのような存在になってしまったとのことでした。
つまり現代において、本物のツンデレはツンデレが持つ「男に媚びることを潔しとしない気高いスプリット」を守るためには、観測者がツンデレであるということを意識される局面ではツンデレである発言をしてはいけないことになります。これって一種の観測者問題ですよね。まぁ、僕もオタクを名乗る以上、この問題に対してそれなりの回答を用意する必要があるかと思いました。
そもそもツンデレとは
まず、後輩の説を全面的に採用すると少なくとも僕らが観測しているツンデレの大部分は真のツンデレではなく、ツンデレという様式美を利用して男の関心を惹くアクションを取るツンデレとして気高いスピリットを保持していないツンデレということになります。
ここで実生活を振り返ってみると、確かに実生活で「別にあんたのためにやったんじゃないから」を言う女の子いはほとんど会ったことない気がします。そもそもツンデレというのはエロゲに良く出てくる女の子のタイプでツンデレ的な女の子はエロゲのかなり前から登場しています。というのもエロゲにおいては、最初あんまり仲良くなかった女の子と最終的には仲良くなるというのが大筋のため、最後に大きなカタルシスを与えるためにはツンデレのような実際に付き合ってみると実体はかなり違うというキャラクターを大量生産することが必要で、そのような方法論としてツンデレは利用されてきました。
これが2005年くらいにマスメディアに「ツンデレ」として取り上げられ今に至るわけですが、現在においてはキャラクターの個性としては完全に陳腐化しており、逆にツンデレが居ると希少種として扱われるような時代になった訳です。
ツンデレに対して僕たちはどのように接したらよいか
このような発生の経緯を考えてみると、その発生過程から考えても、ツンデレというキャラクターが陳腐化ゆえに稀少化した現代において、「男に媚びることを潔しとしない気高いスプリット」を持った女性が易々と「別にあんたのためにやったんじゃないから」を言ってくれる訳はありません。
つまりあなたの回りで「別にあんたのためにやったんじゃないから」などという言葉を言う人がいたら、たぶんその人は「本物のツンデレではない」or「オタク文化にあまり興味がなくツンデレという概念自体を知らない」という事になります。後輩はツンデレ発言ができないタイプに属するのではないかと思います。
そんなわけで、もし街でツンデレ的発言を見かけたら、その人がオタク文化を知らなそうな場合は、絶対にその人がツンデレであること指摘しないで下さい。あなたがツンデレであることを指摘した瞬間、その人が本物のツンデレで会った場合、ツンデレ的発言を控えるようになりますから。そんなわけで現代においてツンデレを見かけたら、それは優しく見守るのが僕らの義務なのではないかと思います。