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Twitterをプラットフォームとして考える

大学の先輩の@kouskさんがTwitterについて考えていたので、僕もちょっと考えて見ました。飲み会の席で@kouskさんがTwitterはもはやプラットフォームとおっしゃっていましたが、その後のエントリーでネタをフォローしている様子。

プラットフォームという概念はコンテンツプラットフォームに関して言えば、お金のやり取りがあって、ある程度コンテンツを外部に持っていけないものものだと漠然と思っています。全てのゲームプラットフォーム、iTMSでも、Kindleでもそんなもんです。ただ、Twitterは、

  • 基本的にコンテンツを売れないの金を稼ぐことができない
  • クライアントの使い勝手などの基本的な部分さえ外部にまかせる

というなかなか男前な仕様です。もちろん、140文字のつぶやきを売るなんてことはできないし、使い勝手の部分も一応改善されています。ただ、それでもTwitterをプラットフォームとは普通考えませんが、それでもTwitterをプラットフォームと感じる部分は何なのかを考える必要があるな、と思います。ということで上の点について考えてみます。

Twitterポイントシステムでお金を稼ぐ

Twitterの収益化については、サラリーマンのアイドル勝間和代氏もTwitterを取り上げたコラムで軽く触れています。

堀江貴文氏もそのあとこのネタを取り上げており、面白いですね。

ま、サードパーティのほうが今は収益を確保しているようですね。iPhoneのクライアントは、有料でかなり収益を上げてそうな感じだし。モバツイッターも広告はいっていたりするし。サードパーティにサブスクライバーベースで一人頭いくらの課金をするとか、あるいはタイムラインに定期的に広告つぶやきをいれるとか。それもサードパーティのAPI叩くところで登録させとけば、義務付けることはできそうですね。

個人的にはTwitterがお金を儲ける方法は、現在の広告を抜きにすれば、Twitter上でお金のやり取りを発生させ、そこに3割とか2割の課金を行うレベニューシェアシステムは面白いかなと思います。
もちろんやり取りしてるのが一般的に売れるコンテンツではなく、その人の140文字のつぶやきなので、それを売り買いするというのはあれなのですが、Twitterほど寄付を集めたり、他人に対して共感を呼んだりすることが可能なサービスもなかなかないと思うので、PayPal的な簡便なお金のやり取りをTwitter上でポイントを使ってでき、そこから手数料を抜くというのはなかなかおもしろいと思います。
はてなポイントならぬTwitterポイントですね。ただ、このポイントシステムというのは、決済額をある程度上げないと成り立たないし、ポイントを常にお金に換金できるようなシステムを組むと決済上そのポイントを担保する分内部でお金を抱え込まなきゃいけないしで、Twitter程度の規模で行うにはなかなか難しい気もします。そもそも激戦が続く小規模決済分野にTwitterが参入することにどれくらいのうまみがあるかを考えると、あんまりないかもしれません。ただ、Twitterだからこそ成功しそうな分野でもあるので、ちょっとそういうのが上手くいくのか見てみたいところですね。

Twitterは自分では儲かってないのに周辺にはいろいろ夢を見させてくれている

上の堀江貴文氏の記事でも触れている事なのですが、TwitterはAPIでいろいろな操作を可能にさせていて、クライアントや他のWebサービスなどのサードパーティがかなり好き勝手やれる点が素晴らしいと思います。このTwitterの周辺に力を与える部分は特に個人に影響しており、個のエンパワーという観点から見ると、Twitterのような簡単にメッセージのやり取りを行うことができ、属人性の高いサービスは、blogなどの個人のメディアを持つ最初の一歩として最適であることを以前述べました。

この部分はもうちょっと掘り下げて考える必要があると思っており、Twitterでエンパワーできるコンテンツ、Twittertでエンパワーできる個人、Twitterでエンパワーできる企業というのがそれぞれあると思っています。逆にTwitterには明らかに向いてないだろうなというものも多々ありますね。
エヴァンゲリオン新劇場版などはTwitterでキャンペーンしていたらもっと注目を一気に集めただろうな、などと思っていますが、エヴァンゲリオン新劇場版公開当初からTwitterのタイムラインには十分に「エヴァ」の文字にあふれていたので、実はあんまり必要なかったかもしれません。ただ、コンテンツ業界では、現在お祭り騒ぎ的な形で一気にアテンションを集めるタイプのプロモーションが注目されており、例えば曲をタダで配ってライブで設けるアーティストや、公開日からスタートダッシュを決めたい(というか今はスタートダッシュを決められないと収益が上がらない)映画業界などはTwitterという情報の消費スピードが異常に速いメディアをどのように使うかというのは検討する価値があると思います。ただ、Twitterはネタになるのも非常に早いのですが、興味が失われていくのも非常に早いです。僕の感覚ではTwitterで一週間話題になるネタを仕込むというのは至難の業で、多くのネタはだいたい2、3日、早ければ12時間で消費されつくして行きます。このあたりの特性は、たぶんいままでのあるていど計算が効くコントローラブルなメディアと比較すると難易度が高いと思うのですが、海千山千の方々がいろいろ考えてくれていて、失敗したら切込隊長にばっさりやられればいいと思います。

まとめ

だらだらTwitterについて考えてみました。僕がTwitterについていろいろ考えてしまうのは、Twitterライクな何かが携帯デバイス業界においてキラーコンテンツであるとほぼ確信しているからでもあります。いままでさんざん騒がれてきたライフログの形はほぼTwitterのようなものに収束することで確定かなと思いますし。さらに携帯デバイスの情報ネットワーク構造を考える場合、Twitterのようなハブを持たない、他人と緩い結合しか期待しないメディアがその最適な形であることもすでに疑いようがない部分だと思っています。
なので、携帯デバイスの未来を考えるという目的で、今後もTwitterのことはちょくちょく考えてみたいとおもっています。
[追記]うわー、こんな資料でていたんですね。これは必読だ。