定期購読しているNewsweekですが、政治や経済の予測にまぎれて、テクノロジーの予測も含まれていたのですが、これが結構おもしろかったので、勝手にコメントしてみようと思いました。まずは10個の予測のうち、前半の5個分を。
アップルのタブレットが大人気
最近はほぼ確定事項として扱われているアップルのタブレット「iSlate」ですが、全ての電子コンテンツを扱おうとしているアップルにとって、今盛況の電子書籍市場を指をくわえて見ているはずもなく、まちがいなく参入してくるものと思われます。しかも、Kindleのデザインはお世辞にもかっこいいとはいえないので、アップルがタブレットをリリースして、電子書籍販売をスタート、iTunes Storeで扱いをはじめればこれは間違いなく2010年の話題を席巻するでしょう。
なによりおそろしいと思うのが、iPhoneではなくきちんと電子書籍を読めるタブレット型のiSlateを用意してから電子書籍を販売しようとしているところ。もちろん、iSlateで電子書籍の販売がスタートしたタイミングでiPhoneでも電子書籍を扱えるようになるとおもいますが、ユーザー体験を重視するアップルとして、暫定的にiPhoneでスタートをきるより、最高の環境を整えて一気に市場を奪取しようとしているあたりが、サスガです。
マードックがグーグルと絶縁する
マードックが自社メディアのニュースのGoogle検索からのアクセスを禁止し、検索の対価を払うMSのBingにのみ独占的に提供するという話が出ていましたが、これが現実化するだろう、という話。この辺りの話は以前からブログで結構頻繁に触れていました。
- SPA!が狙う売れるコンテンツを作る以外にあまり雑誌業界が生き残る道が思い浮かばない - FutureInsight.info
- 切込隊長の「情報革命バブルの崩壊」が面白かった - FutureInsight.info
- メディア王マードックと新聞の価値 - FutureInsight.info
さて、最新の状況を見るに、やはりメディアが生き残るためには、無料化していくゾーンから撤退し、無料ゾーンはコストが安く運営できる「誰でもメディア」の方に移り変わっていくというのが時代のながれかな、と思います。
ここで問題になるのが、現在大手メディアが保証している情報の信頼性を誰が保証するのか、ということ。僕個人としては、この部分で最後に大手メディアが必要となってくるため、いまの電卓市場みたいに激しい競争が繰り広げられた後、シェイプアップを繰り返し1社か2社残った大手メディアが残存者メリットを享受するのではないかと思っているのですが、どうなるでしょうか。
マルウェアがSNSを麻痺させる
SNSを通してマルウェアが流行するだろうという予測。これはありそうですね。アメリカではFacebookですが、Mixiアプリなどにもマルウェアもどきが組み込まれそうな気がします。皆様、特に外部へ転送しようとするアプリにはお気をつけ下さい。
スタバがあなたにつきまとう
タイトルはスタバですが、要は個人の位置情報、リアルタイム情報を利用して、クーポンや情報が送られてくるようになるだろうという話。最近30min.というサービスを注目しており、30min.は結構これに近いことをやってくれます。
よくベンチャーの方々から、「次の波はリアルタイムウェブ、位置情報、ARだ」という話があり、まぁ、おいしいお店を見つける以外にあまり有意義な位置情報の使い方をみつけていない僕ですが、なんかおもしろいサービスがでてくるんでしょうか。うーん、あまり思いつきません。
アメリカでも携帯が財布になる
Twitterの創業者がiPhoneにクレジットカードを読み取る小型システムを提供し、個人、少額決済をiPhoneでだれでも行えるようにするという話から、携帯を利用した決済がより活発になるだろう、という話。
これは僕もかなりすごいことになるんじゃないかと思っています。というのも、クレジットカードがそこまで普及していない日本での影響力は限定的かもしれませんが、日本で個人が実際にコンテンツを売るということになると、コミケというのがなり大きな比重を占めていると思います。この個人用決済システムはその個のエンパワーの大きな一歩になるんじゃないかと思っています。
個のエンパワーという観点で考えると、Twitter、Ustream.TVなど、かなりツールが整ってきた印象をうけますが、ついに2010年は待望の個人用少額決済システムが整ってくる年になるんじゃないか、と予測しています。