Appleの新端末iPadが発売されましたね。最近、Appleという企業に対して、他の企業はどのように接するべきか考えていたのですが、iPadでだいぶ答えが固まってきました。これは一種のカタストロフィなのです。Appleが進出する可能性がある領域に、事業領域がかぶっている企業は早急にAppleが進出してくる方向とは反対の方向に全力で事業を伸ばすのが良さそうな気がします。Appleが制圧した市場は、贅肉をたっぷり備えた大企業が生き残る隙間はあまりなく、効率的なオペレーションを行い、質の高いコンテンツを作成できる企業のみが生存できます。
Appleの行為をどうしてカタストロフィと述べたかというと、Appleの新しい市場への進出後はApple以外のプレイヤーが大きな利益を上げることを難しいプラットフォームを作り上げるからです。これはちょうどGoogleの市場制圧にも似ています。検索+アドセンスというWeb市場で最も稼ぐことができるスキームを確立したGoogleは、あとは世界でネットを利用する人数を増やすことだけに注力して、さまざまな領域に優れたサービス、ソフトウェアを提供しています。シリコンバレーでもGoogleが進出する可能性がある領域のサービスはスタートするな、ということが言われていると昔聴いたことがありますが、ちょうどプラットフォームホルダーはAppleが進出しにくい市場をしっかりと固める行為を行う必要があるのではないか、と考えています。
Appleが通った後には、強力な値下げ圧力に常にさらされる競争の激しいコンテンツ市場が形成されます。音楽、ゲーム、アプリとこの現象が起きています。Appleが恐ろしいのは、プラットフォーム制圧後にそこから利益を上げればよいので、まずはなりふり構わずハードウェア、ソフトウェアの開発リソースを振り分け、市場を強行的に切り開きます。プラットフォーム制圧後も30:70というこれまた絶妙な取り分で、競争の激しいコンテンツプラットフォームを作り、アップルが都合がよい形でプラットフォームを再構築します。このあたりは以下の本とかおもしろかったです。
iPodは何を変えたのか? | |
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そんなわけで、Appleさんは本当にすごいなー、っていうのが直近の感想なのですが、残念ながら僕はあんまりAppleが好きじゃないので、Apple好きでうまったTwitterのTLを尻目にどうしようかなー、っていうのが最近の気持ちです。