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現代日本が達成した萌えの到達点が高すぎる問題

おもしろいと(狭い)各所で大絶賛だったので、天才エンジニア@negipoくんを誘って「涼宮ハルヒの消失」を見に行ってきました。


素晴らしい出来だったので、この後に映画を見る人のためにここでは映画については述べませんが、この「涼宮ハルヒの消失」で達成している長門有希の萌えは、一つの文化が生まれ、その文化が成熟し、最終的に到達する地点としてあまりにも高いと思います。
過去にブログで日本のアニメは女の子をかわいく描くという方法論に関して、かなりの水準に達している、ということを述べました。

マクロスFなどはまだストーリー、設定、戦闘もかなり魅力的でしたが、けいおん!などはもう魅力的な女の子を描くことが目標になってきていて、ストーリーなどはその目的のためのスパイスみたいな扱いを受けています。マクロスFとけいおん!は最近のアニメではヒットした作品だと思うのですが、この二つともがヒロインが歌うCDがオリコンのアルバムチャートでトップを奪取し、ヒロインの魅力をマルチメディア展開しており、それが圧倒的に評価されているのは偶然ではない気がします。

現在、日本の萌えには2種類があるかと思います。それは、「へうげもの」風にいうと甲の萌えと乙の萌えです。

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甲の萌えとは、純粋にかわいいヒロインを描くことです。たとえば、けいおん、マクロスFなどがそれにあたります。現代日本アニメはこの甲の萌えを描くことに対して、ものすごい水準に達していることは気付いていました。対して、乙の萌とは、甲ではないもの故の萌えです。つまり、甲があるからこそ乙であるもの故の萌えと考えることができるでしょう。今回の「涼宮ハルヒの消失」で達成した長門有希に対する萌えは、まさしくこの乙の萌えであり、さらにそれを映画化という特別な枠に切り取ることで純粋な萌えに昇華しています。
このような乙の萌えの傑作を産み出すことができるのは、現代日本の「萌えのガラパゴス」とでもいうべき稀有な状況が必要であり、本日はこの点においてまさしく日本に生まれて良かったヘブンな状態です。
まぁ、こんなコンテンツは海外に持って行ってもあんまり受けるとは思えませんが、そんなことを気にせず、我々は現代日本が到達した萌えの極限を精一杯楽しむことだけを、ただただ考えればいいのだと思います。きっとその先に未来があります!