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ベンチャーがプラットフォームを作ることについて

大好物のプラットフォーム話を家入さんとkensuuさんが繰り広げていたので、ちょっとここでベンチャーのプラットフォーム話を書いてみる。

プラットフォームを考えるときの軸

ベンチャーを経営したことはないので、あくまで企業目線からだが、四六時中プラットフォームについては考えている。
よくコンテンツは個人の時間の取り合いと呼ばれるが、個人的にはプラットフォームとはおもしろい才能の取り合いだと考えている。プラットフォームが、まず最初に考えるべきは、おもしろい才能が企業、個人問わず集まることができる舞台を提供することだと思う。
まず集まるメンバーの軸としては、

  • 企業
  • 個人

があり、次にそのおもしろい才能を、

  • 他のプラットフォームから奪う
  • まだ活躍できていない才能を発掘する

という軸がある。例えば、ニコニコ動画やTwitter、Ustreamは基本的には「個人」で「まだ活躍できていない人を発掘する」プラットフォームだと考えている。つまり個のエンパワーメントがその本質である。
また、iPhoneのAppStoreは基本的には「個人」の才能を「他のプラットフォームから奪う」というのがその本質だと考えている。逆に、ゲームプラットフォームの多くは「企業」があり、その企業のコンテンツにおいて「他のプラットフォームから奪う」ことを軸に戦いが展開されている。別に全てがキレイに別れる訳ではないが、この本質を見誤ってはいけない。

ベンチャーがプラットフォームを作るには

さて、上記の記事内でkensuuさんがおもしろいことを行っている。

個人的にはITベンチャーは常にプラットフォームを目指すほうが夢があっていいわよね。

これは夢としてはその通りなのだが、実際にプラットフォームを作るということはかなり初期の資本投下がモノを言う世界ではある。それは、基本的にある程度儲かる仕組みが見えていないと企業はプラットフォームに参入してこないと思うが、そんな儲かる仕組みを最初から用意することはベンチャーには相当難しい。はっきり言ってしまえば、資本投下がモノをいう世界である。要はプラットフォームフォルダーが最初は損をしても後半の伸びでなんとかしよう、というモデルになる。マイクロソフトがもうだめだ、だめだと言われていてもWindows Phone 7に企業が注目してしまうのは、マイクロソフトがOSとOfficeというドル箱を抱えており、その資本を利用して、開発者にとって魅力的なXBOXのようなプラットフォームを構築する可能性が高いからだ。もし、Windows Phone 7でもMicrosoftが現在のWindowsアプリのような焼き畑農業のような運用をしたら、もうそんなプラットフォームに企業も個人も集うことはない。
さてさて、話がちょっとずれたが、ベンチャーがプラットフォームを作る際、企業をターゲットにするにはある程度の資本投下が必須となる話はした。よって、必然的に日本のベンチャーのサイズでは個人をターゲットにするしかない。その個人を「他のプラットフォームから奪う」か「まだ活躍できていない才能を発掘する」ことになる。ここ数年で成功した日本のベンチャーはほぼ「個人」で「まだ活躍できていない才能を発掘する」ことに注力している。逆に上場した元ベンチャーは「企業」をターゲットに「他のプラットフォームから奪う」ことをはじめる。これは現状のソーシャルアプリのプラットフォームなどが当てはまる。
このベンチャーの「個人」をターゲットにしたプラットフォームだが、その初期で資本投下を行い、個人に対してある程度儲かるスキームを示すことができればその成功確率はぐっとあがると思う。この辺りは是非リクルートのノウハウを持つkensuuさんに期待したい。

まとめ

ちょうどプラットフォームの話があったので、最近プラットフォームについて考えていることを書いてみました。僕がやっていることは完全に企業側のことなので、あんまり参考にならないかもしれませんが。