先日、サブカルパジャマトークの収録の後、よしこさんと飯を食いつつ、以下のような話を聞きました。ブログに書いても良いと言っていたので紹介します。
今日の新聞に掲載されている情報は金にならない。3年前の新聞に掲載されていた情報が金になる。
よしこさんは情報を扱う専門家なのですが、上の話はどういうことかというと、まず日経新聞のCMでやっているような「そうだ今日の日経に!」という形で今日の新聞に書かれているネタをあつかうというのは一般的に小賢しいという評価になる可能性が高いそうです。その話を知っている人が多い可能性が高く、またその話を知っいた場合、「その話、今日の新聞のネタだよ」という風になる可能性があります。
しかし、`3年前の新聞に書かれていたネタならばどうでしょう。ほとんどの人はその話を知りませんし、よしんば知っていたとしても「あー、その話知ってるよ」と共感を引き起こす可能性が今日の新聞のネタよりも高いです。つまり、「今日の新聞に掲載されている情報」と「3年前の新聞に掲載されている情報」を比較した場合、「即時性が高いほど価値のある情報」として「今日の新聞に掲載されている情報」を扱い、「時間が経ったことで価値がでた情報」として「3年前の新聞に書かれている情報」を扱うというのがセンスある情報の扱い方ということになります。
この話を聞いてなるほどなー、と思った反面、なかなか「3年経ったことで価値が増す情報」というものを見極めることは難しいと思った次第。ここで、時間が経つことで価値が失われる情報を「腐敗する情報」、時間が経つことで価値を増す情報を「発酵する情報」と定義して、その情報の性質について考えてみました。こんな話をすると「知の情報工学」を思い出しますが、この本は非常におすすめです。安いですし。
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発酵する情報をどのようにサルベージするか
「発酵する情報をどのようにサルベージするか」という部分に関して、よしこさんは機械的に処理することが現状困難で、今は自分の力で行っているとの見解でした。
その一つの指標として、○○係数や○○現象という、ある分野特有の係数や現象が新聞や本で説明されたときは、忘れずにその単語をメモっているそうです。現在はそのようなもののリストが数百もあるということで、なるほど情報を扱うということはこういうことかと感心した次第。
ただ、そのような話を聞くと、なんとかそのような情報を機械的に処理することが出来ないか、と考えるのが世の常、人の常。そこでよしこさんと議論を続けたのですが、「情報発信源である個人の格付け」という概念はなかなか脈がありそうだ、という話になりました。例えば、クラウドというキーワードが今流行っていますが3年前にそれに着目している人がいるとしたらどうでしょう。そもそも、クラウドという概念自体がエリックシュミットが最近言い出したことなのですが、そのエリックシュミットが言い出す前、2006年からAmazonはEC2というサービスを開始しています。このように考えると、2009年にホットなトピック(電子書籍など)を抽出し、そのホットなトピックがホットになっている時期をGoogle Trendsなどから算出。その前からその話題に注目していた人は、情報の目利きとして格付けを高くするという手法は一つ検討する価値はありそうです。そういう意味で僕が注目しているのは、アンカテのid:essaさんです。
アンカテなどはまさしく独自ドメインを持って、個人メディアとして独り立ちできる可能性あるブログだと思っているのですが、「Google八分という概念」や「Googleと中国の衝突の可能性」などをいちはやく指摘してことを覚えています。なにか、こういうことを的確に評価する仕組みをつくり、Twitetrやブログの情報をもとに、個人の情報発信源としての評価を行うことができれば、おもしろいなーとよしこさんと話しました。
あと、裏技としてTwitetrから情報を抽出して、その人のバックグラウンドや職業、居住地域や会社を抽出する仕組みも考えられると思うのですが、なんかかなりグレーゾーンっぽので、ちょっとここでは書かないようにします。興味ある人は、以下のサブカルパジャマトークを聞いてください(笑)
なんか時間があれば格付けの方はトライしたいですね。もしいいアイディアあったら、@gamellaにコメントなどいただければ大変嬉しいです。よろしくお願いします。