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初音ミク・ソロコンサートBD雑感

遅ればせながら初音ミク・ソロコンサートのBDを視聴。なんかすごいものを見ました。

初音ミク/Blu-ray 「ミクの日感謝祭 39's Giving Day Project DIVA presents 初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは、初音ミクです。0」
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以下の記事に詳しい、2010/3/9に行われた「ミクの日感謝祭 39's Giving Day」のコンサート映像です。といっても初音ミクはボーカロイドなので、透明なスクリーンに等身大の3D映像を投影することでステージ上に初音ミクを再現しています。

このBDの凄さを説明するのはとても難しいのですが、例えばITMediaの以下の画像を見てもわかる通り、バックバンドは生ですが、メインは完全に映像で構成されているわけです。

それでも、3000人近い観客を熱狂させられるっていうのが、いったいどんな理由によるものなのかを考えてみると2点あるのかな、と思います。

セガがプロデュースした舞台が想像以上にハイクオリティ

これは映像を見てもらうとわかるのですが、映像の動きのなめらか、モーションキャプチャの動きの精度、楽曲と口とのシンク、照明などのもろもろの演出のレベルがすごいです。ゲーム制作で培われたセガの職人的な技術が発揮されています。結局、こういうものはどんなに人気が低くてもクオリティが低いと興ざめしてしまうものなのですが、BDで見ても観客の熱狂が伝わる完成度の高さです。あと、衣装チェンジが一瞬で終わるとか、デジタルならではのいいところもあります。

会場にあふれるこの娘は俺達が育てた感

例えばAKB48は、年に一度の総選挙方式でファンが投票を行い自分のお気に入りのアイドルをなんとかランキング上位にさせるプロセスを通して、ファンにこの娘は俺が育てた感を与えているという話を聞きますが、初音ミクの場合はリアルに楽曲提供もニコニコ動画で活動する○○Pと呼ばれるプロデューサがメインなわけで、本当の意味で自分たちが育てたアイドル(まさに偶像)なわけです。いわば、多くのファンにとって、このコンサートは盛り上がることがここまでのプロセスを通して必然だったのかな、と思います。なんかこの構図ってすごく新しくて、最初はボーカロイドという楽曲を作成するためソフトウェアがありその声の仮想的なモデルとして作成されたキャラクターである初音ミクが、今ではボーカロイドを通して多くのプロデューサの手により肉付けられた初音ミクというキャラクターとして独立に存在しているわけです。なんかこういう新しいエンターティメントの現場に立ち会っているという高揚感が会場にもあるのかな、と感じました。

まとめ

ただ、初音ミクという現象はあくまで奇跡的な事例で、ではまた初音ミクというアイドルをプロデュースできるノウハウがあるか、というとそんなものはおそらくどこにも存在しません。以前、コンテンツ制作、エンターティメントに関わる人はこのBDを見ておいた方が良いと発言していた人がいましたが、まさにそんな感じでこれをどのように感じ取ればいいのか、すごく考えさせれました。たぶん、こういうのはこの熱狂の輪の中に実際に入らないとわからないんだろうな、と思います。