OB訪問をしたいという珍しい人がいて、あまり失礼なことを言っても何なので、昨今の就職活動事情を改めて調べたらあまりの過酷さにびっくりしました。
今年の就職活動事情と感じたこと
いろいろニュースとかエントリーとか見てましたが大変なんて状況じゃないですね。
厚生労働省によると、急速に進む円高、長引く不況の影響で、来春卒業者の10月1日時点の就職内定率が前年同期比4・9%減の57・6%と、調査が始まった平成8年以来で過去最低となっている。
埼玉労働局は30日、埼玉県内にキャンパスを置く4年制大学と短期大学について、来春卒業を予定する学生の就職内定率(10月1日現在)を公表した。
大学生28・9%、短大生25・1%で、いずれも3割を下回った。最終動向とは一致しないものの、「就職氷河期」と呼ばれる学生の就職難が深刻化している状況が浮き彫りとなった。
あと、今話題のこれとか。
10月時点のデータなのでまだ時間があるとはいえ、だいたい就職は半分くらいしか決まっておらず、最悪ケースでは30%程度しか決まっていない大学もあるということです。しかも直感的にこの新卒の就職活動が大変な自体は短期的なものではなく今後も続きそうな予感がします。
というのも、以前もエントリーで書きましたが、現在企業において特殊技能、知識を取り立てて必要とせず、人当たりさえ良ければ誰でもやっていける類の仕事は、子育て中の正社員や、スキルアップを放棄し、最後までその企業に居座ることを決めた正社員のバッファーとして極めて貴重であり、そんなところに新卒社員を振り分ける余裕はなくなってきているのです。
現在、存在する正社員の雇用を守るため、企業としては正社員を増やすわけにはいかない事情もあるし、合理的な行動ではあります。日本の大学では理系のきちんとしたカリキュラムを備えた場合を除き、企業で即戦力となるような人材はなかなか排出できないし、そのような人材だったら逆に外資系、大手コンサルを交えた争奪戦が一般的な就職活動が始まる半年くらい前に行われており、すでに就職活動が始まる頃には勝負は終わっていたりするでしょう。なんか、ここまでくると、大学を出て就職活動して、就職するというモデル自体が危うくなってきている。以前サブカルパジャマトークで就職活動について取り上げました。
このときは、無茶を言わない企業に就職することについてをトークしたが、状況的に今度はもうちょっと踏み込んだことを書こうかなと思い、たぶんこんな感じなのかなーと思うことをまとめてみました。
圧倒的な市場優位性をなんとか確保する戦略
まあ、これができれば苦労しないですよね。「サークルの代表でした」、「バイト頑張りました」ではないアピールポイントをつくって、勝ち抜く戦略です。実はあんまりエンジニア以外の実情を知らないので、うまくコメントできないのですが、たとえばオープンソースプロジェクトで開発に参加していました!はエンジニアならばかなりの強みになると思います。他の業種でもきっとあると思うので、そういうのを狙って身につけるのは依然として有効だと思います。
就職活動始める前にバックアップを用意する戦略
すでに一般的な就職活動の成功率が下がりつつあり、今後も上がる見込みがない以上、普通に考えたらこの戦略がまず思いつきます。就職活動を始める前になんらかの形でどこかの企業から卒業後はうちで働いてもいいよ、というOKをもらっておく方法です。といっても、学生が働けてるところとなると自ずと限られてきますが、プログラミングやデザインがある程度できるならそんなに難しくないかもしれません。他の職種でも学生には自分をダンピングしてでも採用してもらうという大技があるので、やる気があればそんなに難しくないのかな、と思う(自分をダンピングというのは市場価格よりも安い価格を提示して雇ってもらうということ)。ただ、大学生活という結構貴重な時間を就職活動前にプレ就職活動をしておくということに違和感がある人も多いと思う。僕もそんなこと面倒だからしたくないし。ただ、一つの手段ではあるかと思います。
あと、このプレ就職活動で企業を選ぶときは企業自体も大事だけど、将来的なマーケットの規模や傾向も考えた方がよいと思う。マーケットが大きくなるときはその分チャンスがあるものなので、単純に割のいい賭けをした方が良いですね。
ノマドとして生きる、起業する戦略
結構、最近この手の本がたくさん出版されていますね。
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まとめ
思いついたものをつれづれでまとめましたが、こうやってまとめてみても全部大学1年生からの仕込みが大事そうだし、実際にこれを実行できる人ならそもそも就職活動もあまり困らないと思うので、ぶっちゃけ全然役にたたない戦略だと思います。あと、この「外資就活ドットコム」ですがかなりヨサゲなサービスですね。このサイトが自分の就職活動のころの外資最高!の風潮の時にあったら、大流行だったろーなと思う。
いや、今もそういう風潮は続いているのかな。