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CES2011で見えたコンピュータの次

いつも大変面白いブログを書いているid:shi3zの以下のエントリーを読んでちょっと考えた。CESの中の空気を感じることができない人にとってこういう紀行文的なエントリーは大変ありがたい。

本当にPCに別れを告げられるかどうかは、Excelをどうするか、ということで決定する気がする。
そしてキーボードに別れを告げない限り、本当の「グッバイ・コンピュータ」の時代はまだまだ遠いのだ。

デバイスとアプリケーションは基本的に別の問題なので、この問題は切り離すことができるはず。
例えば、10年前、僕が大学生のころはノートPCと言えば非力なプロセッサしか積んでおらず、ノートPCで動画編集を行うなんてことを考えることも出来なかった。しかし、今や業務用以外の用途であれば、普通のノートでいくらでも動画編集を行うことは可能だし、すでにデスクトップPCを買う理由はなくなっている。僕もThinkpad T410を買って、あと外付け用にBenQの24インチモニタを持っているが、基本的にはノートPCですべての作業を行うようになった。つまり、特殊用途をのぞけばデスクトップPCからノートPCへのシフトはすでに完了しているわけだ。

そしてCESで明らかに次の潮流が確認できた。それは、

のニュースである。ARM coretex A9はとても性能が高いCPUであることは知られており、消費電力だけではなく実効性能でもIntelのチップにも負けない。このニュースからわかるとおり、タブレットは今後ノートPCを置き換える方向で進化する。性能は現在のノートPCにも負けないようになり、id:shi3zさんが懸念していたExcelはWindows 8上でそのまま動く。どうしてもキーボードは必要なときはドッグ的なものに接続すればいい。しかし、その頻度は減っていき、やがてさらに軽量で、さらに使いやすい何かが現れると思う。

Googleも同じことが考えていることは以下のAndroid OS 3.0のデモ動画で確認することができた。

このUIはiPadの置き換えを狙ったものではなく、あくまでノートPCの置き換えを想定している。そうでなければ、一枚のページに表示する情報量をここまで増やし、さらに明らかにPC側をベースにしたようなGoogle Chromeを持ってくるわけがない。このあたりは近々公開するアンドロイドの論点でも議論したので是非読んでほしい。

というわけで、今回のCESで、はっきりとARM側の世界にも現在のIntel側に負けない進化が行われることは示された。それがタブレットというデバイスになるのか、それ以外の新たなデバイスをどこかの革新的な企業が作るのかはわからないが、大きな動きがあるのは間違いない。非常に今年の展開も楽しみだ。